「圧倒的デイン・デハーンパワー」キル・ユア・ダーリン nick2014さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0圧倒的デイン・デハーンパワー

2014年11月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

当時のビート派の空気感が伝わってくる。戦争が近いようで遠く、ドラッグ、酒、セックス、同性愛にどん底の奴らがもがき狂乱する。
アレン視点のせいであまりドラマチックなサスペンス要素はないけれどデイン・デハーン演じるルシアンの魅力が存分に感じられる。
あっという間に惹かれ、同時に創作への活力が燃え上がる様は本当に楽しそうだ。

そして魅力と同時にバロウズの妻では花々を舞う蝶と例えられた男の苦しみ、身勝手さも伝わってくる。
過去にどんな事があったのかは具体的に劇中ではしめされていなかったがストーカーから逃れたいといいながら論文を書かせ、家に入り浸る。アレンに対してもある一線を越えさせる事を受け入れるくせにそうなった途端別の男の元へいく。素質はありながらも自分のセクシャリティを受け入れられない。
アレンが「殺した」ことで彼は本当の意味で進むことができたのだろうか。

あとデビッドが刺されるシーンの音楽がとても印象的でかっこよかった。

nick2014