劇場公開日 2014年9月6日

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チング 永遠の絆 : 特集

2014年8月25日更新

「ゴッドファーザー」「スカーフェイス」「アウトレイジ」──
“男たちの生きざま”に胸が熱くなるヤツは、本作を見よ!

親友を殺して17年ぶりにシャバに戻った昔気質のヤクザと、父の愛情を知らず狂犬のように育った若きチンピラ──深い孤独を抱えた男たちの世代を超えた絆を描く「チング 永遠の絆」が、9月6日に公開される。「ゴッドファーザー」「スカーフェイス」「アウトレイジ」ほか、裏社会に生きる男たちの宿命に胸を熱くしたファンなら、見逃せない1本だ。

昔気質のヤクザと若きチンピラ、深い孤独を抱えた男たちの熱き絆を描く!
昔気質のヤクザと若きチンピラ、深い孤独を抱えた男たちの熱き絆を描く!

■マフィア、バイオレンス、任侠の傑作に魂を燃やしてきた映画ファンよ
 あなたにこそ薦めたい、この新たなる1本!

バイオレンスと男たちの絆にあふれるマフィアやギャング、ヤクザ、任侠映画の傑作に、胸を熱くさせてきた映画ファン。「チング 永遠の絆」は、そんなあなたに捧げられた、新たなる“男たちの生きざま”を描く物語だ。

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狂犬のように育ったソンフン(キム・ウビン)
狂犬のように育ったソンフン(キム・ウビン)

“仁義なき”とはよく言ったものだが、古き良きしきたりが失われ、人と人とのつながりがすっかり薄くなってしまった現代。自らが得をするためなら、友人や家族でさえ出し抜こうとするのも当たり前となったこの時代に、友情だ仁義だと説くのは、もはや時代遅れと言ってもいいのかもしれない。だが、いくら笑われようが、肩身の狭さを感じようが、人が誇らしく生きるのに必要なのは、心で結ばれた人とのつながりだと今なお信じている人もいるはずだ。

「チング 永遠の絆」は、韓国・釜山を舞台に、裏社会に生きる男たちの三世代に渡る数奇な生きざまをエモーショナルに描くドラマ。17年ぶりに出所した男が、すっかりさま変わりしてしまった組織を相手に、固い絆で結ばれた若者とともに壮絶な抗争を繰り広げていく。戦うことしかできなかった男たちの姿を通して、仁義とはなにか、そして絆とはなにかが、激しく、切なく描かれる。時代に迎合したくない、誇り高くありたい──そう感じる人にこそ薦めたい、男たちの宿命と絆の物語だ。

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ジュンソク(左)に扮するのはユ・オソン
ジュンソク(左)に扮するのはユ・オソン

所属する組織が対立してしまったことで、親友だった男を殺してしまったヤクザ、ジュンソク。罪を償い、17年の刑期を終えて組織に舞い戻るが、副会長にのし上がった兄弟分に牛耳られた組織は、もはやかつての居場所ではなかった。そして、父の愛情を知らないまま育ち、狂犬のように暴力をほとばしらせることでしか、自分が自分であることを確かめられなかったチンピラ、ソンフン。この深い孤独を心に抱えたふたりが、運命の出会いを果たす。

自分を慕うソンフンに新たな可能性を感じるジュンソクと、ジュンソクに今まで知らなかった父性を感じるソンフン。互いの孤独を埋め合えるからこそ、“父と息子”ともいうべき熱く固い絆を築いていくふたりだが、やがて衝撃的な事実が発覚する。それは、ソンフンこそ、ジュンソクがかつて殺めた親友の遺児であるということだった……。

残酷な宿命に、彼らはどう落とし前を付けるのか。魂の物語が迎える結末から、目が離せない。

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亡きソンフンの父とジュンソクの因縁とは?
亡きソンフンの父とジュンソクの因縁とは?

たとえ自分の身が危ういと分かっていても、渦中へと飛び込んでいく──自分の損得よりも、大事にしたい絆や思いを優先する主人公の姿に、これまでにも心を熱くした思い出があるはず。本作は、そんな仁義や絆の世界を描いた傑作が持っていた“志”を受け継いだ作品だ。

数世代に渡って、組織に生きる男たちの生きざまを描いた点では「ゴッドファーザー」が共通、幼い頃からの仲間が裏社会で成長していくという設定は、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を思い起こさせるだろう。「ゴッドファーザー」シリーズでファミリーを作り上げたマイケル役のアル・パチーノが、元麻薬王を演じた「カリートの道」は、刑期を終えて戻ってきた世界が仁義を失っていたという、「チング 永遠の絆」に通じる物語設定だ。不器用でも誇り高く生きようとするジュンソクたちの生きざまは、高倉健主演の任侠映画もイメージさせる。

一方で、人を殺すことの壮絶さも映し出す。チェーンソーまでが登場する抗争シーンなどは、「スカーフェイス」「アウトレイジ」をほうふつとさせる血なまぐさいバイオレンス描写が満載だ。


■本作が描く、“絆”“友情”そして“捨てられない誇り”──
 “あなた”になら分かるだろう? セリフに込められた《熱き思い》の数々!

本作では、絆、友情、誇りが描かれる。熱き男の世界にひかれるファンなら男泣きしてしまうだろう3つの要素を、印象的なセリフとともに紹介しよう。

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父と息子のような固い絆で結ばれていくふたり
父と息子のような固い絆で結ばれていくふたり

本作では、時代に取り残されてしまった昔気質のジュンソクと、血気盛んな若きソンフンの父子にも似た固く熱い“絆”が描かれる。さらには、その上の世代、1960年代に組織の礎を作ったジュンソクの父親の活躍も登場する(“昔気質”がスタンダードだった当時が、最もイキイキとした時代に見えるのも皮肉だが)。このセリフは、ジュンソクが抗争に突入することを決意し、ソンフンを誘うときのセリフ。自分のすべてを託し、相手のすべてを担うという決意と思いが集約されたひと言だ。


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「仲間を絶対に裏切らない」という思いが熱い!
「仲間を絶対に裏切らない」という思いが熱い!

人と人とは、決して利害関係では本物のつながりを持つことはできない。絶対に裏切ることがない人間関係はどうやって築かれるのかという秘訣を、本作は教えてくれる。「カネさえ渡せば人は集まるし、何でもやってくれる」とうそぶく新世代の価値観を持つソンフンに対して、カネ以上の価値を持つものがあると説く。仲間、友とはすなわち“家族”であり、それは同じ辛さや貧しさ、死線をくぐり抜けて来たからこその関係なのだ。


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捨てられない誇り──殺される前に殺せ!
捨てられない誇り──殺される前に殺せ!

一度持ってしまった価値観は、簡単に捨てることはできない。それが、自分が信じる“誇り”であるならなおさらだ。本作では、仁義を重んじるヤクザの生きづらさを描きながらも、見る者に「そういう風に生きたい」と憧れさせる力強さを持つ。「たとえ後悔すると分かっていても、信じた生き方しかできない」と、引退した会長に心情を明かすシーンはその真骨頂。「今殺さなければ、後で殺される」という世界に生きる者の誇りにグッとくる。



■映画評論家が見た「チング 永遠の絆」──
 そこには、傑作マフィア映画にもつながる《熱き絆の物語》が存在した!

映画評論家・佐藤睦雄氏が「チング 永遠の絆」を鑑賞。“黒社会に生きる男たちの絆”という、数々の傑作にも通じるテーマ性は、見る者の心をどのようにとらえたのか。

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