劇場公開日 2014年10月11日

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「いろんな想いが交差する、ステキなカフェの人間模様。」ふしぎな岬の物語 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0いろんな想いが交差する、ステキなカフェの人間模様。

2014年10月17日
PCから投稿

泣ける

悲しい

幸せ

【賛否両論チェック】
賛:小さな村の人間模様を描く中で、ずっと叶わない恋心や、疎遠だった親子の絆の修復、死別した家族への想いなど、様々な傷が癒えていく様子が温かい。
否:後半の主人公の言動は、前半と比べて違和感が大きい。若干のホラー的要素もあるか。

 何組もの家族が登場してくる、どちらかといえば群像劇に近い印象です。何十年も悦子を想い続ける、浩司やタニさんの切ない恋心。最初は口も聞かなかった徳さんとみどりが、徳さんの病気をきっかけにまた1つになっていく親子の愛。そして母を失った少女や、悦子自身の亡き夫への想いなど、様々な人々の心が交錯し、重厚でいて温かなドラマを作り出しています。反面、後半の火事のくだりは、少しやりすぎ感というか、重すぎて前半とのギャップに面食らうかも知れません。
 ただ、泥棒にまで温かい言葉をかけてあげられる悦子の人間性は、観ていてとても爽やかな気持ちになります。少し人恋しくなった時に、是非オススメです。

映画コーディネーター・門倉カド