劇場公開日 2014年8月2日

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「考え抜かれた静謐な映像。」イーダ bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0考え抜かれた静謐な映像。

2014年8月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

 モノクロームのフェルメールの絵画が続くような映画です。余白を効果的に使った映像が多く現れます。じっくりと映像を味わいたい人にはうってつけの映画です。画面は移動撮影はせず、固定されたままですが、最後の最後に主人公が、何かを決心し、歩き出す場面で激しくカメラが動き出します。巨額の資金を注ぎ込んだハリウッド映画や暴力描写の多い日本映画に飽き飽きしている人は必見の作品です。フランス文学者の蓮実重彦さんが絶賛しそうな映画でもあります。不満だったのは最後のエンドロールで端の文字が切れていて読めなかったことです。余りに、幕を画面に食い込ませてしまっていたのでしょう。本編でも欠けていた場面があったのか、と思うと少し損した気分になりました。それから、あちこちに動く字幕、画面の下に横書きで出たかと思うと、画面の右上に縦書きで出たりします。もう少し、なんとか統一できなかったのでしょうか。これでは映画に集中できません。
 残念なのは、上映しているシアター・イメージフォーラムがあまりに狭いことです。ロビーが猫の額ほどしかなく、そのため、観客の入れ替えのときは、芋を洗うような大混雑となります。客席もドリンクホルダーもついていません。「収容病棟」のときもそうでしたが、空調があまり、効いていませんでした。特に夏場のこの劇場に行くときには、水やお茶が入ったペットボトルが必須でしょう。熱中症にでもなったら大変です。

bashiba