ある精肉店のはなし

劇場公開日:

ある精肉店のはなし

解説

大阪貝塚市で代々、育てた牛を家族で食肉処理し、販売している精肉店を営む一家を、温かなまなざしで見つめたドキュメンタリー。大阪貝塚市にある北出精肉店では、7代目の長男が肉質を見極めて切り分け、妻は接客にいそしみ、ガレージで太鼓屋の看板を掲げる次男も自ら牛を解体し、なめした皮を使ってだんじり太鼓の皮の張り替えを行っている。しかし、穏やかに暮らす一家の心の中には、その仕事ゆえにいわれなき差別を受け続けてきた父の姿があった。それでも仕事に対する誇りをもって自らを律して生き、命を食べて人は生きるという生の本質を見つめ続けている一家の1年間を記録した。原発開発計画に反対する山口県祝島の人々を描いて大きな反響を呼んだ「祝(ほうり)の島」の纐纈あや監督の第2作。

2013年製作/108分/日本
配給:やしほ映画社、ポレポレタイムス社
劇場公開日:2013年11月29日

スタッフ・キャスト

監督
プロデューサー
本橋成一
撮影
大久保千津奈
録音
増田岳彦
編集
鵜飼邦彦
サウンドデザイン・整音
江夏正晃
音楽
佐久間順平
製作統括
大槻貴宏
製作デスク
中植きさら
グラフィックデザイン
大橋祐介
全てのスタッフ・キャストを見る

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5

映画「ある精肉店のはなし」より

映画レビュー

5.0大阪府貝塚市の精肉店 の屠畜

2023年12月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

知的

幸せ

ある精肉店のはなし
大阪十三にある映画館「第七芸術劇場」にて鑑賞 2023年12月3日 アンコール上映
パンフレット入手
大阪府貝塚市、どこかご存じでしょうか
人口 82,593人 38,472世帯 令和5年12月1日現在 (貝塚市役所)
映画の中に「だんじり祭り」がありました。岸和田が有名ですが、「貝塚だんじり祭り」があります。岸和田市はその隣に位置している。
大阪弁は大きくわけて、摂津弁・河内弁・泉州弁に分かれるのですが貝塚市は「泉州弁」となります。なお大阪市は「摂津弁」
大阪市内までは鉄道では主として南海本線を利用し1時間半ほど。自動車だと阪和自動車道などを経由し約1時間ほど。
大阪市のベッドタウンとしての役割がある一方で、農業畜産業があります。

大阪府貝塚市、北出精肉店 ここでは牛を飼育し屠畜し、さばいて、売ってきた北出家のひとたち。
江戸時代末期1847年からで7代目、2012年貝塚市立と畜場が閉鎖されることに伴い、屠畜は終わりを告げる。

屠畜が映像で流される。牛はハンマーで頭を叩かれ、一撃で死んでしまう。
このような映像は初めての経験でした。思わず見入ってしまいました。子供たちがそばでじっと見つめている。
これらの映像は、パンフレットではイラストで表現されている。良くできたパンフレットです。分かりやすいです。
解体処理となった時に、速やかに手早くおこなっている。そう、牛は「商品」。鮮度が優先しているのでしょう。職人技ですよこれ。
内臓なども入念に処理されている。余すことなく使用するのでしょう。

亡くなった動物たちを供養している。

和太鼓。牛の皮を伸ばし、巨大な和太鼓を作っている。この部分はパンフレットにはないのが残念だけど
けっこう手間がかかっている。力技なんだなって感じた。

タブーとなっている「被差別部落」に真正面から向き合っているのは良いと感じました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
大岸弦

5.0生きてる人生きてる家族生きてる街

2023年11月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

肉屋さんが牛を育て、歩いて行けるところに屠殺場がありジブで屠殺してお肉にしていく。現実とは思えないけど、そこには身近な暮らし毎日の暮らしの営みがあり、命、生き物!自分、自分の家族、街全てを慈しむように大切に暮らす人々が気負いなく暮らしていた。
個人的には家族なんてクソ食らえと嘯きたい自分だが、いや敬服する。
食べていきる。
屠殺するものはころすとはいわない。
丁寧に処理され丁寧にカットされ、丁寧に売られていく。
自分の食生活の雑さ貧しさを恥じる。
部落のこと、なんで?という疑問からの活動。自然な活動で家族、街、世間が変わっていく。温厚な革命家。
そして祭りの太鼓の皮も、そうか
繋がっていたのか。
自然とインドの伝統音楽芸能と、太鼓作りの職人、カーストや宗教差別を扱った情熱のムリダンガムにも思いを馳せる。リングワールド繋がった世界。
素晴らしい記録。忘れないための記録忘れないための鑑賞
感謝の気持ちでいっぱい

コメントする (0件)
共感した! 0件)
redir

4.5精肉店のリアリティに感動

2023年11月26日
スマートフォンから投稿

我々が食する牛肉が飼育から屠畜され、スーパーで売られる過程をリアルで見たことは 学ぶべき点が多かった。差別されてきた社会に対し 北出家が一体となって団結し 精肉店であることの誇りを持ち、一般の家庭よりはるかに 素晴らしい人間としての心を持たれてることに感動した。数多くの方に見てほしい映画である。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
やまちゃん62

5.0想像していたよりずっと深かった

2023年11月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

鑑賞前に情報を入れず、精肉にまつわる話だと勝手に思っていた。
北出家の話をきっかけに、肉、土地の歴史、その描き方(距離感)に、最後まで目が離せなかった。
北出さんの、解放活動に関わって、変わったのは自分だったというのが心に残る。
これからも大勢の人に劇場で観てほしい。劇場でというのは大画面で観てほしいということではなく、傍観者にならず、ほんの少し踏み込んだ形で観てほしい。

屠畜、割る、部落、だんじり、盆踊り、精肉店、太鼓、結婚式、牛、家族

コメントする (0件)
共感した! 0件)
邦画好き