ホドロフスキーのDUNEのレビュー・感想・評価
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幻で終わったSF超大作
脚本も完成、思い通りのスタッフ&キャスティング。
ここまで準備出来たのに、結局は製作中止に追い込まれた幻のSF超大作、アレハンドロ・ホドロフスキーの『デューン』。
しかし、ホドロフスキーをはじめとして、インタビューに答える“戦士たち”は皆一様に楽しそうであり、幸せそうなのがとても印象的。
(ただし、製作中止に至ったくだりを語るホドロフスキーの表情は流石に硬い。)
実現に至らなかったことに対する忸怩たる思いはあるだろうが、この企画に携わったこと自体が喜びであり、楽しい充実した時間であったこと、それぞれの戦士に残したものは大きかったことはその後の活躍ぶりをみれば分かる。
ああ、それにしても、ダリ、オーソン・ウェルズ、ミック・ジャガー、デヴィッド・キャラダインの共演なんて
想像するだけでワクワクするじゃないか!
デヴィッド・リンチの『デューン』もそこまで駄作だとは思わないが、このドキュメンタリーを観た人は誰だって「ホドロフスキーの『デューン』が観たかった!」
と叫ぶこと請け合い。
なかなか興味深いドキュメンタリー
ホドロフスキー監督が、映画化を目指したが断念した経緯のドキュメンタリー。あそこまで丁寧に創り上げて断念したのは辛かっただろうし、後にリンチ監督で製作が決まった時はどんな気持ちだったのか。
新作のデューンを観ようと思い、過去作とこのドキュメンタリーを観ることに。過去作は途中で断念してしまった。このドキュメンタリーは面白く観ることが出来た。ホドロフスキーの過去作品の衝撃度にも驚いたし、創り上げていたデューンの凄いことにも驚き。そりゃあ、あれだけのものは予算的にも無理でしょうし、実際に創れただろうか?出演者にも驚き。サルバドール・ダリ。普通は思いつかないよなあ。観てみたかった気もするが。
ヴィルヌーヴ監督のデューン砂の惑星がどのような作品なのか、観るのが楽しみになった。
ホドロフスキーの情熱
"世界中の人々の価値観をひっくり返す"
デューンを制作することで、映画の枠を超えた芸術的思想は間違いなく世界を席巻し変革をもたらす。
アレハンドロ・ホドロフスキーのビジョンに偽りが無いことは、その熱のこもった語り口からもよく分かる。
ニコラス・ウィンディング・レフンも語っていた通り、ホドロフスキーのデューンが完成していたら世の映画史は大きく変わっていたかも知れない。
音楽を頼もうと訪れたレコーディング中のピンク・フロイドに対して、素っ気ない彼らの対応に激昂したホドロフスキーが
「その態度は何だ!君らは世界一の映画の音楽を作りたくないのか!」
と罵倒した話は、ホドロフスキーの人柄がよく分かるエピソードとして非常に面白かった。
ダン・オバノンやH.R.ギーガーなど、個人的にも大好きなアーティストが関わっている点からも、間違いなく凄い作品になっていたことになっていただろう。
中止後、デヴィッド・リンチが監督した砂の惑星のあまりの出来の悪さにホドロフスキーが喜んだというエピソードは微笑ましくて笑える。
ドゥニ・ヴィルヌーブ版に期待が高まる。
ホドロフスキー熱い!!
彼がこんな人物とは知らなかった!
なんて映画愛に溢れた人なんだ!!
しかしこのDUNE、幻だったからこそ輝いてるようにも見える。なんせ絵コンテが最高だし。
真の映画人しか知らない秘密奥義みたいじゃないですか。
いろんなSF映画と比較してくれるし、ドキュメンタリーとしても最高でした。音響が良かった。
にしてもデヴィッドリンチのデューン、楽しみに見てやる。
もしかしたらこの方が…
とても興味深い作品。64年生まれの自分には80年代のスターログで情報だけはインプット済のホドロフスキー版デューン。その状況が、当事者たちの現在と過去の映像を持って語られる。
メビウス、クリス・フォス、ギーガー、それにダン・オバノン。フランク・ハーバートの原作があるものの、それを具体的なイメージに置き換えた。映画がアメリカ資本の出資を得られず製作中止となったあと、イメージの面での敗者復活戦の様に出来上がったのがエイリアンだし、他にもスター・ウォーズや多くの作品に影響を与えたことは明白だ。
ただ、本当にホドロフスキー版が完成していたら大ヒットしたのか、凄い傑作になったのか、そこには確信は持てないのも事実。
しかし個人的には、総合的にみて何故かこのドキュメンタリーの方がヴィルヌーブ版より面白かったことは秘密。
ところで。今回2021年10月、ヴィルヌーブ版のデューンが劇場公開されたタイミングでアマゾンプライムで見られるようになり、このタイミングならではの大発見があった。ホドロフスキー版のプロデューサーが、ミシェル・セドゥ。セドゥって珍しい名字だなと思って調べたら、案の定、007 のマドレーヌ役レア・セドゥの大叔父。名家だって言ってたもんな。
予習のつもりが若干ハマってしまった
ヴィルヌーブの「DUNE」に向けた予習第二弾。
リンチの「DUNE」の前に映画化の企画があったなんて知らなかった。しかも、映像のイメージや衣装、メカニックデザイン、配役なんかがここまで進んでいたなんて。絵コンテやデザイン画を見たり、制作に携わった人の話を聞くだけだけど、こっちの方が面白そうじゃないか。
ダリやミック・ジャガー、オーソン・ウェルズなんか出ているDUNE。幻の作品だからこそだが、観てみたかったと思わせるものがある。
フランク・ハーバートの原作を読み返そうとは思わなかったが、一通りの予習はしたつもり。さぁ、ヴィルヌーブの「DUNE」だ。
創造の系譜
ホドロフスキーという聞いたことない監督が
傑作SF小説の「DUNE」の映画化を企画していたというドキュメンタリー
見たこともないイメージボードが何故こんなに腑に落ちるんだろうというモヤモヤが大きくなってきたところで
実はこの映画のアイディアが、いろんな映画でもう見ていたシーンだったというタネ明かし
映画フェチには堪らない
再映画化の準備2
カイルマクラクランを堪能して、ホドロフスキーにたどり着いた。
開けてびっくりな奇抜でカッコいいデューン。
このドキュメンタリーをみた人々は、観たかった!!と誰もが悔しく思うだろう。
集まるべくして集まったスーパーチーム、流石ホドロフスキー、次元を超えて作品を作り出しそうな勢いが凄まじい。
その上を行きそうなダリの発言も貴重で、キリンが燃える予定だったとは!笑
1975年に企画され、図鑑の様な分厚い本になったデューン。
それは宝箱の様で、のちに作られたSF映画に影響を与えた事は一目瞭然だ。
もしかしたら、嫉妬に潰されたと言っても間違いでは無いかもしれない。
12時間の映画⁈それはない…
ホドロフスキーは喋りも面白くて
後にリンチが監督した『デューン 砂の惑星』を観たくなくて観たくなくて
息子に引きずられるようにして死に顔で劇場に行った時の話し(笑)
「嫌々観てみたらだんだん元気になった!」あまりにもクソで(爆)
「才能あるリンチがこんな駄作を作るはずがない。製作者のせいだ」
あと食い物で釣ったオーソン・ウェルズの件も
ダリの俺様の話も…何もかも興味深い!!!
立派な本は出来上がった
父親を深く理解する息子も毎度俳優として素晴らしい
若い奥さんはいる猫はいる…もうホドロフスキー万歳!
2022年7月追記
このホドロフスキーのドキュメントを見た時から興味があったので
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の素晴らしい出来に感動した
けどこのヴィルヌーヴ監督のSFはあたしには理解が追いつけず2回見たよ、、毎度2回見なきゃ意味分かんないのよ〜(笑)
そしてホドロフスキーの叩き台も見直した
ついでにリンチのも見た!このディスられてるリンチのが一番分かりやすかった!(笑)
この人がDUNEを撮るのはイメージ違う。
映画ファンでSFファンとしてはエルトポやホーリーマウンテン観たことあるけど、この人のDUNEはイメージ違う。だってこの人カメラ動かさず据え置きでヒッピーとかフラワーピープルとかのラリってるような奇妙キテレツなメークやヘアスタイルでセリフも無く延々変なパフォーマンスして起承転結のないストーリーほとんどない映像を延々と垂れ流す。それをアートと言われたら70年代初頭とかまでのヒッピー文化なのかもしれんが。SFとか動きのある映像に向いてない。2001年宇宙の旅の映像を評価しない人がSF大作撮らない方がいいでしょ。てか撮れないでしょ。ブレードランナーは原作も読んでいたので日本で公開時に観に行ったら私ひとりの貸切みたいだったけど、この高評価ってSF好きな人なの?それともこの監督のファン?はるか昔学生の時小さい映画館でバイトしてた時にエルトポとか上映してた時あったけど全く人入ってなかった。この人が何故DUNEを撮ろうと思ったのか不思議に感じる。絵コンテの衣装観て引いた。大風呂敷広げて凄い人の名前並べて未完の大作とかゆうけど、この監督大作作った事ないし企画だけなら単なる妄想ですから。
ロスト・イン・デューン
鬼才アレハンドロ・ホドロフスキーが、フランク・ハーバートのSF小説『デューン』の映画化に挑むも、実現せず。
テリー・ギリアムの『ロスト・イン・ラ・マンチャ』と同じ映画未完成暴露ドキュメンタリーの類いなのだが、こういうのが本編より面白い時がある。
まず…
実は、ホドロフスキーの作品を見た事が無い。多分。
『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』などでカルト的な人気の名匠らしいが…、スンマセン!
序盤でホドロフスキーのキャリアを紹介してくれたのは有難い。
さて、もし実現していたら、スゲー作品になっていただろう。
作品自体の娯楽性と神秘性。
そこに、ホドロフスキーの哲学や芸術性。
視覚効果や美術に、当時の第一人者スタッフ。
極め付けは、異色の豪華キャスト。サルバドール・ダリ、ミック・ジャガー、オーソン・ウェルズ…よくぞこんなキャスティングを思い付いたもんだ!
実現していたら、『SW』の前。『2001年宇宙の旅』と共にSFのレジェンドと呼ばれ、SF映画の歴史は違っていたかもしれない。
実現出来なかったのに、それを笑い話として語るホドロフスキーの姿が印象的。
本当は、悔しかったんだろうなぁ…。
今こうして幻の作品となり、代わって『SW』がSFのレジェンドとなっている。
映画的に言えば、これもまたドラマチックな運命なのかも。
『デューン』はその後、デヴィッド・リンチ監督で映画化されたが、ご存知の通り…。
今度、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督で再映画化。
鬼才を唸らせるような傑作を、期待してます!
真のエンタメとは何か?
サルバドール・ダリ
ミック・ジャガー
オーソン・ウェルズ
メビウス
H・R・ギーガー
とにかく出てくる名前が大物ばかり。
しかも彼らをハリウッドに寄越したのがホドロフスキーだというから驚きだ。
ギーガーやメビウスがハリウッドに来なければ、ブレードランナーやエイリアンも生まれ得ないわけで。
それだけでもSF史が根底から崩れてしまうだろう。
ホドロフスキーのデューンの遺伝子が、今のSF映画を作ったと言っても過言ではない。
コンテまで起こされていた前代未聞のロングショット、ぜひ劇場で観たかった。
泣きそうになりました。
泣きそうになったのは、全く個人的な理由であるからなのだが、このレビューも殆ど自分の覚書のような形で綴っている訳なのであるから、胸に秘めずに書いておく事にしよう。
やや大袈裟に言えば、つまり、この『DUNE』が、自らの感性を丸ごと包含してしまうほどの壮大さをもっていたからである。
私は映画に限らず、美術や音楽も好むのだが、始まりは「ダリ」であった。ダリの作品に出会い、様々な文化に手足を伸ばしてきたのである。ダリの展覧会があれば足を伸ばし、シュルレアリスムを個人的に探求し『1984』などのユートピア論からニーチェへ、N.W.レフンやツァラトゥストラを経てホドロフスキーへと遂に辿り着いた。
シュルレアリスムからPink Floydへ、所謂プログレを知った。五大プログレに骨抜きにされ、MAGMAの悪魔的音楽に圧倒され、EL&PからH.R.ギーガーの暗黒の虜となった。H.R.ギーガーは『エイリアン』やKORNのジョナサン・デイヴィスのマイクスタンドのデザインなどで有名だ。
SF映画は特に好み『2001年宇宙の旅』『ブレード・ランナー』は、この世における最も偉大な映像作品であるとまで(半分狂信的な神格化であるが...)考えていた。
その全てが『DUNE』に、帰結していた。これ程の運命的な偶然、いや、これはホドロフスキーによる理想的必然だが、私にはずっと探していた真理を探し当てたような、それ程の衝撃だったのである。私はこの作品をもう生涯誰にも勧めることはない。何故なら、私の感性の全てを90分で俯瞰されてしまうかのようだからだ。実際にそんな事は無いだろうと自分でも思いたいが、僕はこの作品を未完でありながらも生涯の傑作に位置付けたいと思っている。N.W.レフンは唯一の観客だと言っていたが、身悶えするほどのジェラシー。
しかし希望は残されており「位置付けたいと思っている」というのは、私の尊敬してやまない現代SF界で圧倒的な才能のある、ドゥニ・ヴィルヌーヴによるリブート計画が進行している事である。『メッセージ』や『ブレードランナー2049』の大ヒットは記憶に新しいし『灼熱の魂』は私のお気に入りの1作である。ホドロフスキーの絶たれた夢を、死して人類の超克を成し遂げたピートよろしく、受け継いで頂きたく、過剰すぎるほどの期待を寄せているのである。
ズルい!
最も観てみたかった作品だったしソレをこんなドキュメントにしたら観たい欲求がさらに膨れ上がるしホドロフスキーの楽しそうに語るインタビューにデザイン画とリンチ作と比較したってまずLOOKが良過ぎる。
リンチの失敗を楽しそうに本人を否定せずに語るホドロフスキーの笑顔に人柄に人間としての素晴らしさを感じる。
ダリにO・ウェルズにM・ジャガーとピンク・フロイドでホドロフスキーの面子だけでも魅力的で実に残念。
このドキュメントを観せられたら当人達はスッキリした感じで語っているけれど観客側からすればフラストレーション溜まりマクりで。
大きく刺激を受けるドキュメンタリー
芸術と狂気
ホドロフスキーがイキイキと語る様は狂気と幼さを合わせる
ホドロフスキーを知っているのが大前提
あくまで映画ではなくメイキングドキュメンタリー
しかしこんなに刺激を受ける作品はなかなかない
あー‼面白かった‼
思わず、じーっと見入ってしまった。 魂こもってるなあの一言。 息子...
思わず、じーっと見入ってしまった。
魂こもってるなあの一言。
息子さんに2年間?6時間の格闘レッスンに驚いた(笑)
でも、素晴らしい才能が集まるとあれほどまでにワクワクするのかと思った。
本当に良いと思うものだけを集めるとああなるのかね〜
最後のエンドロールの配色がおしゃれすぎた。
この世界観を垣間見れてよかった。
フランクルさん
What is to give light must endure burning
どんなことも魂込めることが必須!
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