劇場公開日 2014年1月25日

エレニの帰郷のレビュー・感想・評価

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3.520世紀を生き抜いて

2021年11月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

幸せ

現在と過去を交互に描きながらエレニを含めた三人の過酷な運命と今を生きる子と孫の三世代を奇妙にも思える時間軸の唐突な変動に戸惑いながら、登場人物それぞれの感情が哀しくも最後は幸せに満ちてゆく。

時代背景やセリフでの説明を極力排した演出描写、エレニとヤコブ、スピロスの関係性と今を生きながら破綻している家族三人の物語を、静かに優しく時に不親切ながら難しくも魅入ってしまう感覚に。

孫であるエレニの部屋の壁全面に貼られた無数の映画や役者にミュージシャンなどの切り抜きやポスターがセンス良過ぎで、それだけでテンションも上がる。

恥ずかしながらテオ・アンゲロプロスを知らずに今まで、全作品を観てみたいと好きな映画監督がまた増えてしまった喜びはありながらも、若松孝二と同じように逝ってしまった驚きと無念さが残念でならない。

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万年 東一

2.5dust of time

2015年2月2日
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鑑賞方法:DVD/BD

寝られる

ブルーノガンツ、ミシェルピコリ、ウィレムデフォー、イレーヌジャコブ。イレーヌジャコブが好きじゃないからか、ファーストカットからなんだがちょっと違和感が。前作が圧倒的すぎたっていう話もあるが。孫のエレニの部屋のポスターが良い感じ。羊たちの沈黙、ジムモリソン、ザッパ、ゲバラ、ルーリード。

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ssspkk

3.5追悼アンゲロプロス。

2014年8月17日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

幸せ

「エレニの旅」に続くアンゲロプロス監督の第二弾。
三部作構想だった撮影の最中に事故で急逝しこれが遺作となる。
男女三人の愛の行方と、政治背景・歴史的事実が複雑に絡み合い
過去と現在を行き来するという難解な内容は、乗り切れないと
最後まで観るのが辛くなってくる。好きな人には壮大な叙情詩。
それにしてもW・デフォーがI・ジャコブの息子役とは恐れ入った。

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ハチコ

3.0ヤコブの最後に涙しました

2014年2月7日
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悲しい

もう、叙情たっぷりのアンゲロプロス監督の映画は見られないのかと思うと、さみしい限りです。旅芸人の記録、アレキサンダー大王。分かりにくいのですが、なんとなく私たち日本人の琴線に触れる映画ではないかとおもいます。昔ほどの精彩はないものの惜しみなくしっかり胸に刻みました。

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cacaomaru

3.5見て良かった

2014年2月6日
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知的

難しい

友人に誘われて、この監督さんの作品を初めて見ました。
正直よく解らなかったです。(前作を見ていないせいで解らなかったのかと思い、「エレニの旅」のDVDを友人から借りて見ましたが、これもよく解らなかったです。)
変な所もたくさんありました。ハリウッド映画だったら精巧な老けメイクなどで登場人物の加齢の変化をリアルに表現したりするのに、この映画は女優さんが若いまま老人の役をするので不思議でした。
解らなかったけれど、映像も音楽も美しかったし、見て良かったと思います。
何よりも真剣さが伝わってきました。普段、好んで見ている映画の軽さとは違ったものでした。
自分が知らないタイプの映画があるんだと解っただけでも良かったです。

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gayagaya

4.0二十世紀への追悼

2014年2月5日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

鑑賞後、劇場内には拍手が起こった。
本作に対してだけではなく過去作品への感慨、そして監督への哀悼の意を込めての拍手だったのだと思う。
僕自身は涙が止まらなかった。何に対しての涙かは判らない。この映画が描いたユートピアの崩壊に対する涙だったのかもしれない。何十年も前に見た彼の作品を思い出しての涙だったかもしれない。見た当時の自分を思い出していたのかもしれない。判らないが泣いていた。

映画館で泣くことも拍手することも久しくない。今後も無いかもしれない。貴重な作家を失った事にあらためて気づかされた。

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yodogawa

5.0時の埃にあらがうもの

2014年2月4日
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興奮

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小二郎

3.5追悼、テオ・アンゲロプロス。

2014年1月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

 新宿バルト9で鑑賞。いつものことながら、エレベーターで9階まで昇り、そこから更にエスカレーターで11階へ、しかも、休憩できる椅子は9階の猫の額ほどのスぺースしかない、という地獄のような映画館です。私が今まで入った封切り館で最悪の映画館です。
 私はこの監督の映画を初期の2作品(これらの作品はDVD化されてはいますが、大々的にロードショー公開はされていない筈です。観客が多く動員できないと配給元が見込んだのでしょうか)を除いて、全て、観ていますが、残念なことに、最近の二作品、「永遠と一日」と「エレ二の旅」は全く、印象に残っていないのです。従って、今から書く短いレビューは、予備知識を全く持たない人間が観た感想であることを御承知おき下さい。
 どうやら、スターリンが死に、ソ連国内のユダヤ人がイスラエルに行くか、それともアメリカに行くかの選択を迫られている状況で物語は動いていくようなのですが、如何せん、人物関係がよく判りません。(冷戦が終結し、21世紀を迎えるところまで話は進みます)ウィレム・デフォーはどうやら、映画監督。イレ―ヌ・ジャコブがエレ二という役名。ブルーノ・ガンツとミシェル・ピコリはどういう役どころなのか、良く判りませんでした。(プログラムが800円もしたので、買いませんでした。尤も、買ったところで、理解できると云う保証はどこにもありませんが・・・)ただ、云えることは、この監督がかつて持っていた黄金律がかなり、色褪せているように思えたということです。独特の長回しもどこか息切れしているように思えました。ブルーノ・ガンツは最後、河に両手を広げて飛び込みます。最後の場面は雪の降るブランデンブルグ門を背景にミシェル・ピコリと女の子(何と云う役者なのか不明です)が画面に向かって歩いて来るところでこの映画は終わります。なんとも穴だらけのレビューになってしまいましたが、将来、お金が貯まったら、「エレ二の旅」と「エレ二の帰郷」のDVDを購入して、じっくりと見直したいと考えています。
 尚、使用されている言語は殆どが英語かロシア語で、ギリシア語は全く、使われていなかったように思えました。字幕担当はいつもの池澤夏樹です。
 午前10時20分の回を鑑賞しましたが、客の入りは6割程度、殆どが、50代以上と思われる人で、10代、20代の観客は殆ど、いませんでした。今の若い人は、このギリシアの監督のことをどう考えているのでしょうか。
 大学生のとき、下高井戸の名画座で「旅芸人の記録」を観ました。私にとっての最初のアンゲロプロス体験でした。そのとき受けた衝撃は未だに頭に残っています。
 それにしても、惜しい人を亡くしました。現代ヨーロッパの最大の知性が消えてしまったのです。

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bashiba