劇場公開日 2015年2月14日

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「心の空虚を埋められない人、ジョンデュポン」フォックスキャッチャー 夢見る電気羊さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5心の空虚を埋められない人、ジョンデュポン

2016年2月20日
iPhoneアプリから投稿

母に認められたい、自分が自分を認めたいという思いの先にある、絶望と嫉妬を描いた作品。終始、ほのかに恐ろしい雰囲気が漂う。どことなく、無理に生きている感じだ。
レスリングで選手を育てて、彼らの優勝を自分の誇りや存在価値に転換しようとするが、母からは全く認められない。彼自身が主催した大会で勝利しても、全く顧みられることがない。
こうした埋められない気持ちを、虚栄心や露骨なドキュメンタリーを作って埋めようとしても、どうしようも空虚なまま。彼は、真に偉大なシュルツを殺すに至るのである。自分が得られない全てを持っているかのような彼を。
弟の方を教育しようとするが、最初は慕っていつつも、次第に彼に嫌われると、それによって空虚感は一層深まったのだろう。

夢見る電気羊