劇場公開日 2014年1月31日

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「狂気」ウルフ・オブ・ウォールストリート あんどぅさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0狂気

2017年7月30日
iPhoneアプリから投稿

金と快楽に溺れる男。多様な幸福のあり方を肯定しようとするのが最近の社会の傾向のように思うけど、この映画で描かれるのは、単純な人間の欲に従った幸福のあり方。
セックスは、人間が持つ動物的欲求を満たすと同時に、他者に受け入れられることで社会的欲求も満たす、最高の自己充足アクション。
稼ぐということは、お金が社会の中であらゆるものと交換可能であるという意味で、最高の他者充足アクション。
その両方を手に入れれば、欲望の流れが止めどなく流れていくことになるのは必然。
スコセッシのすごいところは、その必然性を、そのまま、余計なものを排して描き出すところ。家族感情が出てくるわけでもなく、ウォール・ストリートの裏社会の様子がピックアップされるわけでもない。ドラマチックさも特別あるわけじゃない。ただただ、欲望の流れと、欲に従う行動が描かれる。
そういう欲の流れは、当たり前のように社会に流れてるものだけど、それに純粋に従う者はクレイジーなんだと思い知らされる。

そういう欲の上に成り立って生きている自分は、じゃあいったいどれだけ正常なのか…。

あんどぅ
かせさんさんのコメント
2024年3月8日

基本的に、幸せって欲求の充足なんですね、と教えてくれる作品でした。
大人になって生まれる社会的欲求なんて無視して、捕まるまでずっと目先鼻先の欲を満たし続ける主人公には、潔さと裏腹の虚しさがずっと付き纏ってましたし。

かせさん