私の男 特集: 「日本映画を見て、こんな衝撃を受けたのは久しぶりだ」 禁断、濃密、挑発──直木賞受賞ベストセラー原作が、新たな日本映画の傑作となった

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私の男

劇場公開日 2014年6月14日
2014年6月13日更新

「日本映画を見て、こんな衝撃を受けたのは久しぶりだ」
禁断、濃密、挑発──直木賞受賞ベストセラー原作が、新たな日本映画の傑作となった

直木賞受賞の衝撃のベストセラー「私の男」が、浅野忠信二階堂ふみ主演でついに映画化。「海炭市叙景」の鬼才・熊切和嘉監督がメガホンをとり、今最も旬なキャスト2人を通して“男女のタブー”を描いた問題作は、日本映画界に誕生した“新たな傑作”だ。

圧倒的な映像美で男女のタブーを描く問題作が完成 圧倒的な映像美で男女のタブーを描く問題作が完成

■「告白」「凶悪」に続く、新たな問題作が誕生!
 浅野忠信と二階堂ふみの2人の熱演と“禁断の愛”が、見る者の心を激しく揺さぶる!

俳優生活25年を迎えた浅野忠信が“父”淳悟を演じる 俳優生活25年を迎えた浅野忠信が“父”淳悟を演じる [拡大画像]

冒頭、流氷の海から上がってくるひとりの少女が映し出される。なぜ、二階堂ふみ演じるこの少女が、凍てつく海に海に飛び込んだのか。その理由は追って明らかとなるが、見る者の心を一瞬でとらえるこのシーンからして、本作がただならない映画であることが分かる。二階堂は撮影に際して、3度、極寒の海に飛び込んだという。そして、本年度のモスクワ国際映画祭コンペティション部門に正式出品が決定した際に、「私の運命の作品」と言い切っている。

鬼畜大宴会」(ベルリン国際映画祭パノラマ部門招待)、「海炭市叙景」(東京国際映画祭コンペティション部門出品)の鬼才・熊切和嘉監督最新作「私の男」は、桜庭一樹の直木賞受賞作を原作に、10歳で孤児になった少女・花と、若くして花を引き取った遠縁の男・淳悟が、寄り添い合いながら禁断の愛を育んでいく姿を描く問題作。冬のオホーツク海で起こったある殺人事件の秘密を見据えつつ、男女、そして父娘の愛情をも超える濃密な人間関係を浮き彫りにする。人間の本質に深く斬り込み物議を醸した「告白」「凶悪」や、世界に衝撃を与えた「愛のコリーダ」をほうふつとさせる情念とエロス、サスペンスにあふれた、新たなる傑作の誕生と呼んでも過言ではないだろう。

“娘”の花は二階堂ふみ。濃密なエロスに挑む。 “娘”の花は二階堂ふみ。濃密なエロスに挑む。 [拡大画像]

孤独を抱え、影を帯びながらも、どこか浮世離れした優雅さを持つ淳悟を演じるのは、ハリウッド大作にも出演し、日本を代表する演技派としてますます活動の幅を広げる浅野忠信。俳優生活25年を迎え、最も充実するこの時期に、まさに「今までのキャリアをぶつけるのにこれ以上のものはなく、自分にしかできない」という念願の役をつかんだ。ヒロインの花を演じるのは、二階堂ふみ。「ヒミズ」で16歳にしてベネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)を獲得し、近年もさまざまな作品で唯一無二の存在感を放つ彼女が、あどけない中学生から成熟した女性へと変わっていくヒロインの姿を、10代とは思えない妖艶さで熱演する。

このタイミングでなければ、決して顔をそろえることはなかっただろう“運命のキャスト”。今最も旬な2人が魂を通わせるこん身の演技が、観客の魂までも震わせるのだ。


■スクリーンで見るべき映像美!ほか
 4つの“傑作要素”が、映画ファンの心をわしづかみにする!

なぜ、本作が日本映画史に輝く新たな傑作であり、「映画ファンであれば見逃してはならない」と断言できるのか。濃密で挑発的なテーマ、そして美しい映像ほか、映画に一家言ある観客にこそアピールしたい4つの“傑作要素”がこれだ。

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35ミリフィルムに収められた壮大な流氷の美しさ 35ミリフィルムに収められた壮大な流氷の美しさ [拡大画像]

本作は、ぜひとも映画館のスクリーンで鑑賞してほしい。その最大の要素は、16ミリ、35ミリ、デジタルの3種のカメラの使い分けによって実現した映像美だ。淳悟と花との出会いから実に16年もの年月を描くドラマにあたり、時代感をスクリーンで表現するため、花の幼少時代を16ミリ、北海道の少女時代を35ミリ、東京に移ってからのシーンをデジタルで撮影するという手法が取られているのだ。

なかでも、長らく映画化が頓挫してきた最大の理由でもあった流氷の上でのシーンが出色。どうしても35ミリフィルムに収めたかったという熊切監督の思いがあふれる、壮大で美しい光景が見逃せない。


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2人は誰にも明かせない秘密と孤独を抱えて生きていく 2人は誰にも明かせない秘密と孤独を抱えて生きていく [拡大画像]

「この作品を自分の手で映画にしたい」と熊切監督がすぐに思ったという原作は、08年の直木賞を受賞した桜庭一樹の代表作。殺人事件と禁断の愛を描くセンセーショナルな内容で、累計発行部数40万部を誇るベストセラーだ。

受賞当初から映画化権は売却済みだったが、物語の核を担う重要なシーンの構築に流氷が欠かせなかった点などがネックとなり、製作がとん挫していたといういわく付きでもあった。今作の完成に桜庭は、「淳悟と花の関係を客観的に捉え、突きつけてくるように感じました。原作とは違ったアプローチで、とても面白く拝見しました」とのコメントを寄せている。


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社会人となった花と距離を縮める青年役は高良健吾 社会人となった花と距離を縮める青年役は高良健吾 [拡大画像]

浅野と二階堂の主演2人は当然ながら、脇を固める日本映画界屈指の実力派キャストからも目が離せない。淳悟と花を見守る地元の名士役には、藤竜也。男女の愛欲の極限を描いた大島渚監督の「愛のコリーダ」で主演を務めた名優が、禁断の愛をモチーフにした本作で、物語の重要な鍵を握る役回りとして登場しているのは興味深い。

東京に居を移し、微妙に変化する淳悟と花の関係性に巻き込まれる青年役には高良健吾が扮し、淳悟の恋人役には河井青葉、殺人事件を追う地元の警察官役にはモロ師岡が顔を揃えている。


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10歳の花を引き取ってから、16年にも及ぶドラマを描く 10歳の花を引き取ってから、16年にも及ぶドラマを描く [拡大画像]

映画化困難だった企画を完遂させただけでなく、“傑作”として世に送り出したのは、繊細な心理描写と映像表現が国内外で高い評価を受ける熊切和嘉監督。物語と同じ北海道出身、原作を読んですぐに「自分が撮るべき物語だ」と感じ、「意地でも撮ってみせる」と完成にこぎ着けた。

映画化を困難にしていた時間をさかのぼっていくという原作の物語構成は、過去から順を追っていくという形で再構成。見事に原作者からの絶賛を勝ち取っている。そして撮影を待っていたかのような流氷南下の幸運にも恵まれ、手腕が発揮された壮大で美しいシーンが実現しているのだ。


■映画.com副編集長が太鼓判!
 「『私の男』は、今見るべき“日本映画の傑作”だ!」

禁断の衝撃作「私の男」は、映画媒体に関わる者の目にはどう映ったのか。いち早く作品を鑑賞した映画.com副編集長が本作の持つクオリティを総括する。

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