劇場公開日 2013年12月21日

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「親に優しく接しよう、と強く思わされた映画でした」麦子さんと スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5親に優しく接しよう、と強く思わされた映画でした

2016年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

萌える

いつもの吉田恵輔監督作ほどダメダメな人間が出てきた訳ではなかったですが、これはこれで意外性もあってむしろ良かったぐらいでしたね。
ほろ苦さを感じつつも温かみを感じれるハートウォーミングな作品に仕上がっていて、かなりツボに嵌ってしまいました。
吉田恵輔監督好きな方々からの評判は若干微妙なようですが、ユル系&泣ける系の映画が好きな方ならば、十分満喫できる内容だったと思いましたよ。

何気ないシーンが後々物凄く重要な意味を持ったりと、見せ方が本当に上手かったし、とにかく脚本が秀逸でしね。
二倍感動できるよう持ってくるこの演出は、お見事の一言でした。
特にエンドロール後のあの一幕なんか最高でした!
ある程度大なり小なり誰しもが経験するであろう親子間の苦悩・葛藤をテーマにした話だったのも、スンナリ入り込めた要因でしたね。

それから亡き母の育った田舎町を訪ねると言う、ロードムービー的な部分でも楽しめた映画でした。
娘と息子以外、誰にも知られることなくひっそりと死んだ母親が、その町では誰しもが知っているアイドル的存在だった、そしてその町で母の残像に触れることで、自分の中の気持ちも少しづつ変化していく、そんなストーリーがとても心に響きました。
夢破れた母、夢を追う娘、その構図からのあの結末は、確実に涙腺が崩壊しますね。

また母親役の余貴美子の演技が秀逸なんで、余計に泣けるんですよね。
ちょっとうざったい母親あるあるを醸しつつ、娘に会いたい、何か残したい、その辺の心情が彼女の演技によってグッと伝わってきました。
主役の堀北真希も良かったねぇ、声優志望でアニメ声を披露するシーンには脱力しましたが、素直になれない母への想い、もどかしさは見事に表現出来ていたと思いましたよ、それより何よりとにかく可愛かったなぁ・・・もう人妻かぁ。
頼りない兄役の松田龍平、母の友人ミチルを演じた麻生祐未、それから温水洋一もナイス助演!
名曲「赤いスイートピー」も涙腺崩壊を反則級に後押ししましたね。
何とも言えぬいい余韻、とても心地良い映画でした。

スペランカー