土竜の唄 潜入捜査官 REIJI インタビュー: さらなる高みを目指す山田孝之、キャリア15年を経て感じること

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土竜の唄 潜入捜査官 REIJI

劇場公開日 2014年2月15日
2014年2月10日更新
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さらなる高みを目指す山田孝之、キャリア15年を経て感じること

俳優が自らの力を量るうえで、指針となる監督がいれば心強い。山田孝之にとっては、間違いなく三池崇史監督だろう。「初心に帰れるような感覚で、毎回緊張するんです」という三池組の現場。「土竜の唄 潜入捜査官REIJI」も類にもれず、三池監督ならではの変幻自在の演出を存分に味わったようだ。そんな原点回帰を繰り返し、昨年、30歳の節目を迎えた。人生を60年と短く見積もっているそうで、既に折り返し地点を過ぎたと強調。旺盛なチャレンジ精神をもって、さらなる高みを目指している。(取材・文/鈴木元、写真/堀弥生)

「三池組からオファーを頂くと、台本はもちろん読みますけれど、読む前からほぼ100%やるつもりではいます。なぜかというと、すごく緊張するんですよ。インの前も、現場にいる最中も。三池さんに見透かされているような感じで。現場で芝居をしてカットがかかってたまに目が合ったりすると、だいたい僕のことを指差して笑ってくる。本当にこれで良かったのかなって、毎回思うんです。そんな現場はなかなかないし、初心に帰るというか、新人のような初めて芝居をする現場に来たような気持ちになる。そんな感覚が味わえると思うから、いつもぜひやりますという感じですね」

これだけで、山田の三池監督に対する特別な思いが感じ取れる。2007年の「クローズZERO」で初めて組んで以降、続編の「クローズZEROII」(09)、「十三人の刺客」(10)と続き、一昨年は「悪の教典」で傍若無人な教師・柴原で鮮烈なインパクトを残した。絶命間際には笑いを取る部分も担ったが、実は出番としては7シーンほどだったという。

「出番やセリフが少ない分、出せるものは限られてくるからそれはそれで難しい。7シーンで柴原という変態教師をしっかりと出さなきゃいけない。それで緊張するけれど、何を要求されるか分からないドキドキ感もある。ドラムや剣道のシーンは、最初にもらった台本にはなかったんですよ。台本が変わったら増えているから、えーってなって。そういう突拍子もないものがきたりするんですけれど、それが面白いんです」

いわば、三池組に参加することは俳優をしていくうえでの定期試験的な趣がありそうだ。

「そんな感じですね。その間で何を学んできたのか。そこまでは考えていないとは思いますけれど、毎回面白いことは出していかなきゃとは思いますね」

そして、「土竜の唄」は、主人公の菊川玲二(生田斗真)が潜入する広域暴力団・数寄矢会傘下の阿湖義組若頭補佐の月原旬という役どころ。ダークスーツでビシッと決め、常に冷静沈着、人に感情を読み取らせない不気味な雰囲気を漂わせる。原作コミックはあえて読まず、月原の絵を見ただけでインスピレーションが沸いたと振り返る。

「月原の顔を見ただけでインパクトがすごかったので、その雰囲気をもらえただけで情報としては十分でした。逆にこれ以上、動いたり話したりするのを見ると、何か邪魔になったら嫌だと思ったので。あとは監督からこういう風にやってみてと言われたことに適応するくらいの余白をつくって現場に行く感じでした」

ビジュアル的には自らの提案で頭髪はもちろん、まゆ毛までブリーチで色を抜いた。表情もほとんど変えることがないため、恐怖感をあおる。そのあたりのこだわりも徹底している。

「月原の異常性というか、人としての感情が欠落しているところを表現するのは当然で、そのために表情を出したくなかった。表情を一番つくるのはまゆ毛だから、それを消したかった。剃(そ)ってしまうとつまらないので、ブリーチで染め続けるというのもまた異常性が見えるかなと思って。まゆ毛は3~4日で(色の戻りが)分かるので、家でずっとやっていたから常に火傷をしているような状態できつかったけれど、そこは月原を守るために。あとは全体がハチャメチャに動いているから、その中でちょっと後ろにいるだけ、人としゃべるだけでお客さんに違和感を与えなきゃと思ったので、常に表情もなく同じテンションでやりましたね」

しかし案の定、三池演出のサプライズが待ち受けていた。しかも、玲二とタイマンで激しい格闘を繰り広げるクライマックスのアクションシーンだ。当然、当初渡されていた台本には一切なかったのだから、演じる方はたまったものではない。

「僕の最後の出番は、ト書き1行で終わっていたんですよ。それで台本が変わってきたら、めちゃくちゃ玲二と戦っていたから、またこれか、みたいな(苦笑)。三池組でやっているから、アクションができるって勝手に思われているけれど、できないんです。本当に嫌で嫌で仕方がなかったですね。三池さんはアクションを撮るのがうまくて、すごい量を撮った中で何とか使えるところを使っていただいているだけ。今回も撮り終えたら本当にへこみました。三池さんが求めるレベルは高いので、それに応えなきゃいけないから必死でついていく。そういう場を与えてもらえるのはすごくいいことですし、そこでスキルアップができるからいいんですけれど、まあ毎回へこみますね、三池組は」

それでも撮影から1年ほどがたち、そろそろ三池組への渇望感が出てきたのではと思いきや、「いや、まだいいです」ときっぱり完全否定だ。

「1年に1回だとハードだし、公開を迎えこうやって話したことによって、その時の感覚がよみがえってきているから、今はアクションはやりたくないですから。だから、アクションのない三池組に出たいです。まあ、だいたいあるんですけれど」

そんな高いハードルを乗り越えながら昨年、30歳を迎え、俳優としてのキャリアも15年に達した。これまで年齢を意識したことはほとんどなかったそうだが、変化が見え始めているという。

「人生を短く見積もって、60年と考えているんです。何があるか分からないし、80歳までって考えるといろいろプランが大変なので。そうすると、もう半分生きてしまったし、鹿児島に15年いて東京に出てきて社会人として仕事を始めて15年たつということもあってすごく意識したんです。とにかく、いろんなことをもっともっとやりたいなという考えになっていますね。時間がけっこうないなと思って」

公演中のミュージカル「フル・モンティ」では舞台に初挑戦。オファーがあったのは一昨年だったそうだが、「そこまで意識がある時ではなかったですけれど、何か新しいことに挑戦するという意識は潜在的に頭の端っこにはあったかもしれないですね」と話す。

ならば、これからの山田孝之はいかなる挑戦をしていくのかとぶつけてみたら、「やっていきますけれど、言わないですよ」とにべもない。それでも、「いろいろと何かが出てくるのを楽しみにしておいてください」と期待ももたせた。

5月には「闇金ウシジマくんPart2」、「MONSTERZ モンスターズ」が立て続けに公開される。かならずや、また違った表情を見せてくれることだろう。

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