劇場公開日 2014年7月25日

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「デカイ!ハカイ!キカクガイ!」GODZILLA ゴジラ ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5デカイ!ハカイ!キカクガイ!

2014年7月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

幸せ

「もし怪獣が地球上に実在して人類の前に降臨したらそりゃこうなっちゃうよね。街とか国とか崩壊しちゃうよね。自然災害だからもう為す術ないよね。覚悟しようね」ってのが凝縮されちゃっとります。
まさしくこういうことなんですよ。怪獣映画すなわちディザスター映画というか。人類に残された選択は逃げ惑うだけという。怪獣がお散歩気分で街中を闊歩すればビル倒壊しまくって大惨事の轍が出来上がるという。やあやあ素晴らしいです。

しかし大は小を兼ねる(?)ものですから。そりゃあ局所的な部分がしっかり描かれてないと、ただ大掛かりな破壊描写をダラダラ見せられたって機微も妙味もへったくれもないですよね。だからストーリーの進行は必然的に人間ドラマが中心になるんですけれど、これがなかなか良いです。Z級の非常事態感がひしひし伝わって来ます。主人公のフォード大尉が成り行き上で世界各地に飛び(逃げ?)回っては、何故だか不幸にも怪獣の破壊現場にライヴで遭遇しちゃってね。そして米軍も怪獣を独自で追うんだけど作戦の殆どが裏目っちゃって。ナベケン扮する博士も役に立ってるのか立ってないんだか(有難いご高説を聞かせてはくれるんですけども)ただ現場に立ち会ってる感(存在感)が凄い。その人間達のテンパリ具合というかドラマパートが見事なんです。
で、冒頭からインサートする怪獣チラ見せの上手さだったり、やっとこゴジラの全体像を見せてくれた!!!!て部分からテレビ映像に切り替わっちゃう演出のヤラしさだったり、なかなかに思い切った破壊描写を全部出してこなくって軽いフラストレーションを観客に与えてきたりして。そこからですよね。そこから溜めに溜めたパワーを吐き出すが如くのクライマックス!デカイ!ハカイ!全てが規格外!カタストロフィ!アーンド、カタルシス!

でね、何でこんなに観せ方魅せ方が巧みなのかなあ、と、その理由というか、まあそれは色々あるんでしょうけども、一番大きいのは監督をギャレス・エドワーズにしたことだと思うんですよね。この人あれですよ、あの「モンスターズ/地球外生命体」を低予算で手掛けた監督さんなんですけど。あの映画観た方なら分かると思うんですが、随所にそれっぽい雰囲気出てたでしょ?チラ見せとか、怪獣のフォルムとかテレビ映像の手法とか。「ああ、なんかモンスターズぽいなあ」と思ったんですよね。それが良い方向に転がって行ったなと。
この人の才能は本物ですよね。続編も彼でキマリでしょう。キマってほしいなあ。

いやあ、デカイって、本当にいいものですよね。

ロロ・トマシ