風立ちぬのレビュー・感想・評価
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思っていることを何でも形にしてしまうもの凄さ
有らん限りの創造力を具現化させた作品。まさに宮崎駿そのものが羽ばたいていた印象。
声を使った擬音があんなにもはまるとは─、庵野秀明の決してうまいとはいえないアフレコであんなにも主人公を表現出来てしまうとは─、瀧本美織の声があんなにも萌えるとは─、荒井由実の音楽であんなにも飛び立つことが出来るとは─、すごいです、そしてイヤらしいです。
よくわからない引退宣言をした巨匠ですが、以降、どんな作品であれ、楽しみです。
極めて絵画的な映画
風は文明に似ている。受ける人によって良くも悪くもなる。しかし、風に意思はない。誰に対しても平等に風は吹く。
日本の成長を強く感じることが出来た。アメリカに軍事を任せ、産業に焦点を当てたからこそなせる発展だと思う。
「風が立つ、私たちは生きようと試みなければならない。」このセリフが凄く好きだ。
ジブリの絵はやっぱり好き!! でもひこうき雲でカバーしてる気が… ...
ジブリの絵はやっぱり好き!!
でもひこうき雲でカバーしてる気が…
実際作品終わってエンディングで泣いた
でも合唱大会で歌って最優秀賞取れた思い出もある。
ほんたうに、ほんたうに美しいものだけを。
宮崎駿、五年目の(最後の?)作品。
この映画を見たときに、僕は涙が止まらなかった。
それほどまでに、この映画を美しいと感じた。
いや、正しくは
(醜いほどのエゴで)
「美しさ」が表現されている映画だと感じたからだ。
この美しさとは、宮崎駿の美学のことである。
彼の思う美しい世界、美しい映画とはこのような姿をしていたのだ。
だから、この映画は極端に賛否両論になるであろうことは火を見るよりも明らかだ。
要するに、彼の美意識を美しいと思うか。美しくないと思うか。
コレばかりは、宮崎駿という人が(という人の創作する世界観が)好きかキライかだから
仕方がないと思う。
黒川の無念、菜穂子との恥ずかしいまでのラブシーン、煙草のニオイ、日本人の業。
ほんの50年ほど昔まで行われていた、無知で愚かな治療法。
菜穂子の気持ちを考えれば、張り裂けそうな想いが伝わってくる。
そしてあの、もっとも美しい嫁入りのシーンで、
宮崎駿は自分の絵を捨てた。
あのシーンの菜穂子の顔は、彼の筆ではない。
最近の流行りの、どちらかと言えば、貞本義行のようなラインなのだ。
それを宮崎駿がOKしたこと。
そして、それを「最も美しくないといけない」「自身の最後の作品の」あのシーンに採用したこと。
そのくせその様式、たとえば古い手作りガラスの表現などにはこだわる美意識。
二郎のガラス越しの世界には、美しいものしか映らない。
そして、彼が美しくないと感じたものは、この映画からどんどん消えてゆく。
母も、女中も、菜穂子も、魔の山の思ひ出も、美しいものを作り出さなくなった友人も、戦争も、
二郎の目には入らなくなってゆく。
忘れてしまうのだ。
つまり、戦争も、菜穂子も、美しくないものであるがえに、描かれない。消えてゆく。
そして彼が見た最後の夢は、「紅の豚」で皆が旅立っていった、
あの戦闘機乗りたちのあの世ではなかったか。
そこでは、なんと残酷なことか、美しかった頃の菜穂子が待っている。
しかしそれもまた、「彼の見たかった」美しい夢でしかない。
これほど美しく、残酷な映画はないだろう。
理解できるものを選ぶ映画である。
まさに、ワインを飲みながら、愉しむ映画であろう。
ワインの飲めないお子様、煙草の味のわからぬ無粋なものは、この映画に「描かれる」資格がないのだろう。
残念だが、アキラメたまえ。
(2017年追記)
宮崎駿はこの映画を、名探偵ホームズのような
犬のキャラクターを用いて製作することも可能だったと思う。
その方がこの映画の神髄を欺き、キャッチーでポップな映画として
動員数を伸ばすと共に、その表向きの表面とは裏腹の
残酷なテーマを表現するに都合が良かったような気がする。
ただ・・あざとすぎるその手法はさすがに
御大の脳裏をよぎったとしても、実現には至らなかったと思うが。
鈴木Pが、また高畑勲が、このプランを聞いたらどう思うだろうか。。
PS
某棒読みの声優に非難が集まっているようですが(笑
棒読みの声優によって、試されているのは
観客、貴方がたの想像力なのですよ?
棒読みだから棒読みにしか聞こえない、では、芸術を鑑賞する値打ちがない。
その棒読みをどう、頭のなかで変換し、素晴らしい作品を完成させるか・・それが芸術だと思いますが。
如何でしょうか。
賛否両論あると思いますが。その解答が無限にあること、、それこそが芸術だと思いますが。如何でしょうか。
自己満足
ジブリファンの期待や希望を一切排除し、宮崎駿氏が自分のやりたい事だけをやった自己満足の作品。
これで引退宣言というのもよく理解できます。
最後にヤリ逃げしようって魂胆ですね。
この題材をアニメ映画化する意味が分からないのですが、宮崎駿氏に出来る事がアニメしか無かったという事なのでしょう。
最後にジブリを深く傷つけてしまった最低の作品ですが、全て計算通りなのでしょう。
自分で作り上げたジブリを最後に自分でぶち壊し、次の世代へ道を開けて去るつもりなのでしょう。
いいシーンがたくさん!でも全体の印象は今一つ
関東大震災や飛行シーン等は宮崎アニメ独特の描写で興味深く、淡々と進むストーリーの割りに飽きずに観ることができた。
ただ、ラストの表現が曖昧ですっきりしない。ゼロ戦を開発する執念と、妻を愛する気持ちのどちらを描きたかったのだろうか。
あと、声優については毎回ジブリ映画でつらい思いをしてきたが、今回はさらにひどかった。印象が少し悪くなったのは確か。
良いのはユーミンの歌のみ
俺は概してアニメが嫌いだ。
だがユーミンの歌が好きだし
何やら賞をとった作品らしいのできっと良いに違いない。
こんな俺でもアニメのことが好きになれるかもしれない。
......という事で頑張って半分までは観た。
が、その後は苦痛に耐えられず
ほぼ音声だけを聞きながら今、これを書いている。
(絵を含め)あらゆる表現が生ぬるくイライラする、気持ち悪い。
ますますアニメが嫌いになってしまった。
駿の作品はこれが初めてだが
駿のオナニーはもう二度と見ない。
あっ「ひこうき雲」が流れてきた、やっぱりいい曲。
こんな俺だが
「かぐや姫の物語」は途中から数十分しか見ていないのに惹き込まれてしまった。
録画しなかったのを後悔......Amazonで買うか。
純文学大人ジブリという感じで、子供の視聴者は完全スルーでした。動き...
純文学大人ジブリという感じで、子供の視聴者は完全スルーでした。動きがさすがジブリということで目を惹く場面は多々ありましたが、必ず寝るでしょう。
個人的には良作に感じました。
淡々とした中にも深みはしっかりと感じられます。
登場人物で一人も悪役がいないのと、あっさりした感じが何度も観れるように思いました。
庵野監督はやはり違和感を感じましたが徐々にそれも慣れというか麻痺しました。効果音を声で行うというのも奇妙な感じがしましたがまあ実験的でよいかと思います。
(-_-)
まず言っておきたい。
未来少年コナン、テレビ版ルパン三世最終章、ルパン三世カリオストロの城、ナウシカ、ラピュタ…までは宮崎駿さんの作品の大ファンでした。もののけ姫以降はトーンダウンしましたが。
昔は観ている人を楽しませる映画、
現在になるにつれ、監督の自己表現映画になっていたのではないか。そして、正にその集大成がこの映画。だと思います。
さて本題です。テレビで放映されたので、録画。
いざ観始めたら…五分ほどで、観る気が失せました。絵のタッチ、声優の声、冒頭の雰囲気…自分には面白くないと直感で分かりました。
映画や音楽など、冒頭の部分、掴みが、重要だと思います。最初に気持ちが入らないと、大抵は自分にハマらないことが多いからです。
この映画を全て観ると、ネガティヴな感想しか出てこなさそうなので、観るのをやめておきます。
脳内妄想?
何が言いたいのか意味不明。
マスコミの大宣伝の話題性だけで商業的には成功したらしい。
戦争反対!ならはっきり言えば?
本当は評価に値しない。
蛍の墓が名作なら、これは超ド級の駄作。
退屈でくだらない。宮崎駿映画はもののけ以降は毎回どんどん劣化している。
主役の声も気持ち悪い。ドイツの変なおっさんとかも気持ち悪い。 史実、事実無視的なとこもオカシイ。 堀越本人の孫も「全然違います」って言ってた位。
ただゼロ戦や設計者の威光を題材にした脳内妄想映画。 時間損した。
間違いなく、集大成!!
引退作に相応しく、全てを出し切ったかのような作品でした。
紅の豚を始め、宮崎監督の趣味と、思いが詰まった、とても良い作品でした。
ただ、一つだけ残念なのは、効果音に人の声などを使うなどの様々な試みをしていますが、やはり粗が目立ち、良し悪しに差があったので、☆4にしました。
まだご覧になっていない方、是非ご覧になっては如何でしょうか。
主人公の声はやっぱり違う人が良かった。 棒読みはちょっと… 話の内...
主人公の声はやっぱり違う人が良かった。
棒読みはちょっと…
話の内容は専門的なところがわかりにくかった。
物語後半の菜穂子と二郎の恋愛模様は素敵だった。
いつまでも心に残る
監督の引退作という意味合いで見ると余計に感慨深い。
「なぜこの国はこんなに貧乏なんだ」という思いの中で、ただ純粋に美しい飛行機を作りたいという想い。その形が兵器という矛盾。二郎の葛藤に、宮崎駿のリスペクトと愛情あふれるメッセージが、カッペリーニ氏を通して伝えられます。そしてすっかり消え失せた純愛の女神を寄り添わせることで、この映画は日本映画にいつまでも光をともすことになります。黒川氏のキャラクターもいとおしい。
大人ジブリに感動
一番欲しいものが、ここにありましたね。胸が締め付けられる想いで、何度も涙してしまいました。
ただ、美しい飛行機を作りたいだけの二郎さん。そんな気持ちとは裏腹に、自分の創り出したものがたくさんの命を奪うことになるなんて、思いもしなかったのでは。儚なさ、切なさ、理不尽さを考えてしまう作品です。
美しい。
美しい風景。美しい物語。美しい人々。
そして美しい飛行機。何もかもが素晴らしい。
特に二郎と菜穂子の恋愛物語に心を奪われる。
菜穂子の声を担当した瀧本美織が特に良い。
彼女の古風で慎ましいニュアンスはいまどき稀有である。
くらべて二郎役の庵野秀明さんにはがっかりさせられた。
この作品の唯一の失敗だと思う。
これはナチュラルな演技を求める監督たちの、
陥りやすい落とし穴で、
名監督山田洋次さんでさえこれに近いミスを犯すことがある。
素人はやはり素人なのです。
日常のリアルと演技のリアルはまったく違うもので、
素人には役の心の中までは喋れない。
だから演技をしない笠智衆さんは素晴らしいのだ。
この作品が公開されたあと、
戦争を肯定しているのではと騒がれたが、
いったいどこをどう解釈したら、
そんな馬鹿馬鹿しい感想になるのだろうか。
これは美しい飛行機を作ることに、
生涯をかけた「職人」の物語である。
技術者はただひたすらに美しいものを作ることに腐心する。
それを平和利用するか戦争に使うかは、
権力者や政治家たちの仕事だ。
物語の最後に現れる飛行機の残骸の山に、
ちゃんと作者の忸怩たる悲痛なメッセージがあるではないか。
喫煙シーンの多さにも批判があったようだが、
これも実にくだらない。
大人たちの喫煙はあの時代の風俗なのだ。
それでは危険だから時代劇で刀を抜くな、
と言っているようなものだ。
現代の安っぽい価値観でしか物事を判断していない。
誰が何と言おうとこの作品は秀逸である。
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