風立ちぬのレビュー・感想・評価
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美しい、日本の時代
映画館で観てから最近DVDで鑑賞しました。
映画館で観た時はツレがいたし、なんだかイマイチ入り込めず。
賛否両論に納得しました。
約1年が経ち改めて自宅で1人鑑賞。
一言で片付けるとジブリらしくない。
ただ今までの概念で言うと、
ただあらすじだけ語ると、です。
つまりこれはジブリでしかないと思うのです。
私は物心着く前からトトロを観て、少し大きくなるとラピュタやナウシカを観て育ってきた生粋のジブリ世代だと思います。
その私が今大人となり、この作品に出会いそう思います。
これは、この時代に生きた美しい
人を、人の心を、日本を
描いた作品なのだと思います。
戦争は良くも悪くも日本を変え
そして今の便利な世の中が成り立っている
以前の美しかったものと引き換えに
美しい夢
美しく健気で儚い想い
戦争を、世の中を、全てを
他人事だと思ってしまう若い世代だからこそ、気づかされるのです。
主人公達は宮崎監督の理想の塊かもしれません
それでいいじゃないですか
それで私は心が締め付けられましたよ
作りたいように作っているという良さ
この映画、タイトルでもキャラでもほとんど理解できないので、この作品の話をすると必ず「どんな映画?」と訊かれる。
この作品、どこからどう話してもネタバレにしかならないという映画だった。
無理にネタバレしないよう、そしてカッコつけずに説明すると、幅広い時間の中での主人公の成長・・・・となる。
カッコつけて説明すると、夢を追う二郎、そして運命の出会いなどの様々な出来事。そんな様々な人間ドラマを描いき、女主人公でなく、ラピュタやナウシカのようなアクション性を捨て、耳をすませばのような青春や甘酸っぱい恋話も捨て、完全に大人向けの恋愛と夢を語る、そんな話だ。
ポニョだのアリエッティだの、微妙な作品(微妙すぎてまともに観てない)を連発したジブリが放つ、かなり出来の良い作品だと思う。
特に表現力はハウル以来、久々に感動した。
細かい人の流れや表情。
こんなにしっかり作られて放映時間は2時間と6分。
あれだけ時間をかけたんだからそりゃぁ期待して観るしかない!
と思い映画館へ。かなり面白い。
観てもないのに、モノラル音声だの、効果音が口だから酷いだの、二郎の声が素人だのと批判があったが、むしろそれが作品を引き立ててくれた。
モノラルによる古臭さ、リアルな効果音でないからこそのコミカルなデザインや表現、成長に比例して声に感情がこもっていく次郎。
確かにデメリットはあるが、この作品、それをかなり最小限に抑えられている。
改めて駿監督は凄い人だと思った。
この映画、最後にほろりと泣かせてくれて、スタッフロールで涙腺を崩壊しに襲ってくる。
恐ろしい恐ろしい。
アニメで泣くといえば(ドラえもんに)クレヨンしんちゃんとポケモン、・・・・・・・あとまどマギ(小声)くらい。
だがこの映画、アニメ映画なのに上記のアニメとは全く違う感動だ。友情とか家族とか、仲間とか、「失ったことに捕らわれずに前を向こう」とかそういう感動ではなくただ単に夢を追い、大切な人を思い思われ、そして想い想われ。この人生の末に手に入った物。それに感動できる、結構珍しいものではないか。
わかるけど、、
やっぱり私はファンタジーなジブリが好きです。評価高いし、ジブリやし、真面目な話やし、メッセージ強いから、いい映画なのかもしれないけど、純粋に私は楽しかったかと聞かれたら、楽しくなかった。辛かったし、面白くなかった。恋愛のシーンはどっちの気持ちも全然わかんなかった。
演出力は健在も。
このネタのどこに魅力を感じたらいいのかサッパリ分かりませんでした。
人間ドラマとして陳腐すぎる。
宮崎駿は山田洋二になったのか?
ただ、演出の凄さは感じました。
やはり、カメラワーク力がほかの監督たちとは全く桁外れ。
近景と背景の動きのバランスが素晴らしいと思いました。
この作品は宮崎駿の演出を学習するには過去最高の作品かもしれません。映画監督を目指す人は何度も見て勉強したらいかがでしょうか。
疑問の中の余韻
ジブリ作品だし、
瀧本ちゃんが声優やっているし、ということで映画館に行きました。
公開したものの、
声優が淡白で嫌だ、
ファンタジーではない、
今までのジブリではない、
つまらなくて子供が騒ぎ出して嫌だった…
等々、批判ばかり耳にしていたので、
正直、当日までだいぶ見ることを悩んでいました。
結果は観て良かったでした。
絵がきれいでした。
場面場面で吹き抜ける風が物語を進めているようで、
私も一緒に風に吹かれているような気分になりました。
単純な、ただの恋愛映画でもないし、主人公の伝記でもないし、
観ていてとても不思議な気分になりました。
主人公の声が淡白単調という意見をよく耳にしましたが、
私はあれも物語の一つのように思いました。
はじめ聞いた瞬間のあの違和感こそが、物語の一つなのではないか、と。
聞いているうちに、映画が進んでいくうちに、気が付いたら、心地よくさえもなっていました。
最後までその調子の映画ですが、私の心には、ずっと余韻が渦巻いていました。
エンドロールの「ひこうき雲」がまた良かったです。
動きの乏しさ
庵野秀明の声にも違和感はなかったし、菜穂子が花嫁衣装を来て渡り廊下を通る瞬間は美しかったと思います。だけど、どこか違う気がするんですよ、今回の映画は。
この映画を見て思ったのは、改めてこれまでの宮崎駿の映画には、動き、躍動感があったということ。『ナウシカ』のオームの行進もそうだし、巨神兵がのそりと立ちあがる姿もそうだし、『ハウル』の城の歩みもそうだし、『千と千尋』の八百万の神々にも、動きがあった。しかし今回の映画には決定的にその動きが欠けていたように思うんです。主題である飛行機の飛ぶ様子でさえ、それを感じられなかったのは、なぜだろう? 宮崎駿は飛行するものをとてもうまく描いてきたように思うのに。そして何より決定的だったのは、戦争シーンを描かなかったこと。もちろん戦争映画ではないのだろうし、美しいものを作りたいという二郎の純粋さ(それを表すための夢の挿入は説明的にすぎたと思う)と、大人の愛(とは思わなかったけど)を描きたかったのだろうけれども、映画としては戦争シーンを描かなかったことで、最も重厚であるはずの動きが欠如してしまったように思う。今回の映画で最も目を見張ったのが関東大震災の街が揺れるシーンだったのは、そうした動きの映画全般にわたる欠如の裏返しなのだと思う。
そして、こうした動きの欠如と反比例するかのように、どこか狙った感じのする構図が増えていたのも気になりました。たとえば、二郎が野原を歩んでいくのを、足元だけローアングルから映している構図があったように思いますが、これまでの宮崎映画にはこういう撮り方はあまりなかったような気がする。
宮崎駿監督には数々の感動を与えてもらってきたし、彼の作品に触れることは小さい頃からの自分の喜びだった。できれば引退などと言わずに、またあの動きに溢れた世界を描いてほしいと思います。
大人むけ
想像以上によかった。効果音とか笑いにいこうと思ったのに。結婚式のシーンは泣いた。その後の零戦の活躍まで描くと生臭くなるので、青春ムービーとしてはこれでいい。ユーミンの主題歌が最高にマッチしている。今までのジブリ作品の要素がすべてつまっている
ジブリ映画の最高傑作…?
ジブリ映画は、今まで
あまり観てこなかった私でしたが、
この作品には心を奪われました。
実際3回も鑑賞してしまいました(笑)
何がいいの?と言われると困るのですが、
観た後にキュッと心が締め付けられるんです。
その当時の時代背景を想い、苦しくなる。
二郎さんの心を想い、切なくなる。
スタジオジブリの描く、風景を見て
「ああ、いいなあ」と思う。
冒頭の1時間ぐらい飛行機の話ばかりで
つまらないという人もいますが、
その1時間があってこその、
後の恋愛場面だと思います。
ちなみに私の好きなシーンは
一番最後のカプローニと二郎が
対面するシーンです。
私は大好きな映画ですが、好き嫌いが
分かれるような作品ではあると思います。
庵野の声よりも
「崖の上のぽにょ」以来の宮崎駿作品で
自分の中のハードルが下がっていたのか思いのほか楽しめました。
ゼロ戦設計者の堀越二郎氏をモデルとした作品だと思っていましたが、
後に、同時代の文学者・堀辰雄氏の半生をあわせてストーリーが作られていることを知りがっかりしましたが、映画館を出た後も心に残るそんな映画です。
賛否両論ある主人公(庵野秀明)の声ですが、私は菜穂子(瀧本美織)のわざとらしさの方が気になりました。
好き嫌いはある
宮崎駿監督最後の映画ということで、映画館にて鑑賞。
個人的には嫌いではない。しかし、観る人の今までの経験や人生観によって感想が変わってくる映画だと思う。
自分の身の回りでは女性は「全くおもしろくない」といい、男性は「すごくいい映画。泣けた」と絶賛している方が多かった。
映画館を出て、帰宅後寝る前に思い出すと静かに泣ける、そんな映画だった。二度、三度観るとまた違った味が出てくる映画だと思う。
美しいもの
大きく賛否の別れている主人公=庵野秀明。ここが受け入れられるかどうかと、宮崎駿作品の強み・アクションシーンの弱さ、この二つが大きなキーなのでは。
私はこの二つを好意的に受け止めたので、楽しめましたし、好きになりました。スクリーンで観られるウチに!
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