劇場公開日 2013年7月20日

「ある程度の前知識がいる」風立ちぬ れおさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ある程度の前知識がいる

2014年11月27日
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泣ける

悲しい

知的

大人向け!
作品内で何が起こっているのかはある程度太平洋戦争知識がいる感じ。ただ、絵面を見ているだけでも時間があっという間に流れます。

魔女宅が創作者のスランプ物語だとしたら、こちらは創作者がプロになった後に経験する悲喜こもごも。
戦争ほどではないにしろ、自分が作りたいものを半分程度はやらせてもらえるものの、予算納期クライアントの我儘と尽きることのない足枷を嵌められる。そして作ったものは世の中に影響を与え、その中で人が生き死にを左右される。
そういう様相が描かれている。具体的には零戦がなければ、日本はもっと太平洋戦争に早く負けていたかも知れない。そうすればパイロットはそんなに死ななかったかもしれないし、それで進出していなければ南の方で揚陸作戦をやっていた陸軍兵士も死ななかったかも。
転がっていってしまったコンテンツを止めることは難しい。

かなり踏み込んだ描写が多いので、クリエイターじゃない方は置いてけぼりかも?
まあでも日本ってやつはアマチュア含めてクリエイター人口は異常だと思いますのでやらない意味がないことはないとは思います。
墜落してしまった零戦のように、歴史には残るけど、基本的には創作物はいつかゴミになるもの。
誰かの命を削って作っても、生み出されるものは人の死と同じく等しく末路はゴミになる。

見よ、これが君の作ったものだ。
とゴミを指して言われてなお、生きねば、と決意するじろうが強いととるか、浅ましいととるか。

私はあいつウンコクズだと思いますがね!!!上司には欲しいタイプ!
恋愛シーンがあることによる次郎のクズ度の上昇に興奮すら覚えますね!!!

宮崎作品はわりとメッセージを投げっぱなしにしていることが多いですが、この作品はとても顕著ですね。
美しい部分だけを切り取った物語ではあるけど、画面外部分を知識で補った場合はどうなるかな?みたいな。
それでも、どんなクズ野郎でも、クリエイターがもの作ってるとこはかっこいいんだよな〜と、プロジェクトxとか見てると思いますね。
だからなほこさんはしょうがない。
ものを作らない次郎は多分かっこよくないもの。

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れお