父危篤、面会謝絶

劇場公開日:

解説

資産50億円の大会社の社長の入院を通して、現代社会における親と子の絆を問うドラマ。監督はOV『ひき逃げファミリー2』の早川喜貴。脚本は吉井三奈子と早川の共同。撮影を「どケチ ピーやん物語」の喜久村徳章が担当している。主演は「大阪好日」の内場勝則。16ミリからのブローアップ。

1997年製作/61分/日本
配給:オフィス100%
劇場公開日:1997年4月26日

ストーリー

妻を亡くし、今は一人暮らしをしている桑原物産の社長・桑原が、事故に遭って入院した。社長秘書の内場は、危篤で面会謝絶の桑原のことを、離れて暮らしている子供たちに知らせに行く。ところが、エステティックサロンを経営する長女・由美は、遺産で経営困難の会社を立て直す算段を始め、出家した長男は葬式と財産分与にしか興味を示さず、政略結婚させられそうになって家を飛び出た次女・喜美恵は、家のことは無関係だと言い出す始末で、誰も病院に駆けつけようとしなかった。彼らの反応にすっかり困惑した内場は、実は骨を折っただけの桑原に事実を報告する。桑原は今回の事故を利用して、子供たちの気持ちを試していたのだ。子供たちの反応にショックを受けた桑原は作戦を変更し、命は助かったが半身不随で自宅介護が必要だということにして、再び内場を子供たちのもとに送る。遺産を独り占めしたい長女は申し出を受け入れ、次女に遺産相続の権利を放棄させようとし始めた。この際、遺産分与をはっきりさせようと、3人の子供たちは病院に集まるが、そこで父親がピンピンしていることを知る。父親のいたずらに憤慨して帰っていく子供たちを見て、内場は今まで会社のことばかりで子供たちのことを考えてこなかった報いだと桑原を諭すが、桑原自身は久しぶりに家族が顔を合わせたことをひそかに喜んでいた。内場は複雑な心境だったが、妻が妊娠したことを知って家族のあり方を考え直し、疎遠になっていた両親に孫の誕生を報告してみようと考える。

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