毒薔薇

劇場公開日:

解説

「嵐の中の姉妹」の川口松太郎の原作から、企画は「母三人(1949)」の中代富士男、脚本は「流星」の館岡謙之助が執筆し、「面影三四郎」の久松静児が監督、撮影は「面影三四郎」の高橋通夫担当で、「新愛染かつら」以来の原作・スタッフコンビである。出演者は「母三人(1949)」の入江たか子「青い山脈(1949)」の龍崎一郎「不良少女(1949)」の星美千子「嵐の中の姉妹」の相馬千恵子「検事と女看守」の小林桂樹「誰に恋せん」の立松晃「望みなきに非ず」の汐見洋(新東宝)などである。

1949年製作/82分/日本
配給:大映
劇場公開日:1949年

ストーリー

妻知加子と女学校に通っている娘知恵子を抱えて児島は失業のため毎日職探しに歩いてるがなかなか見つからないので、知加子の洋裁の内職でどうやら生計はささせている。ある日児島は競馬に行くため知加子の貯めた金を盗んで出ていく。数日後妹の周子から児島が昔関係のあったバーのマダムおとめと競馬場にいたと知加子に告げたため彼女は憤慨し、帰って来た児島に離婚を要求する。彼はこれからおとめのバーで働くが彼女とは何の関係もないと弁明するが、彼女はなかなか肯じないので、仕方なく出て行く。パパはどうしたとしつように聞く知恵子に四五日留守にすると仕方なくうそをついて、周子の男友達「アラモード」の社長遠田、画家の槙、雑誌記者那波に紹介され、遠田は彼女に洋裁を生かして一つ店を出さぬかと進めるが、その後遠田がなんのためにそんなことをいい出したのか、と気づき彼の誘惑を拒否し、自分の家に「紅バラ洋裁店」という看板をかかげ仕事を始める。店は繁昌し弟子もふえ出した頃になると、那波が来て銀座へ店を出さないかと相談を持ち込み、金主となる長谷川に紹介されるが、一応断って見たものの父をしたって時々児島に逢い、彼が此ごろ××商事を経営し金回わりがいい事を聞き、勝気な彼女は別々な利益として承諾する。彼女は槙にも言寄られ、そっけなく振った彼女を槙は「毒バラ」と呼んでから、彼女には男友達の間でいつしかこんな名称がつき出した。ある日熱海に長谷川を尋ねた折、児島が娘と共に自家用車に乗っていたのをねたみ、自動車を欲しがり、まだ気のある遠田から自動車をもらう。児島に金が出来る程彼女は意地を張り負けまいとする、そんな母を知恵子は呪い父と母を何とか又結ぼうとするが知加子は受けつけない、沈みかかった知恵子をいつも槙はなだめた。知加子はある日、周子達の誘いで競馬に行くと児島が二頭も馬を持っている事を知り、長谷川に馬を欲しがり、児島の馬が勝った時は自分の身体を担保として馬を借りる。槙は彼女に知恵子との結婚の相談を持込むが彼女は別に可否の返事もしない。唯うっ憤を晴らす為、酒を飲み那波の誘惑もつき飛し、気が立っている時、児島が来て競馬で自分は全財産をかけているのだから彼女の馬が負けるようにと要求するが彼女は断固として肯じない。翌日彼女の馬が勝ち、児島はサギ横領のけん疑で捕われていく。知恵子の父を慕う熱情と、まざまざ見た夫のあわれな姿は知加子の心を動かし去っていく夫の背後から、堪らなくなって「あなた」と呼びかけた。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く