汚れた花園

劇場公開日:

解説

「かりそめの恋」につぐ中野泰介の企画で、「夜の女たち」「山猫令嬢」(大映)の依田義賢と森田竜男(現松竹企画部員で第一回)の協同脚本を「激怒」につぐ小坂哲人が監督する。カメラは「かりそめの恋」の滝花吟一が担当。主演は「深夜の市長」の安部徹、「愛の宣言」の花柳小菊、それに「かりそめの恋」の河村黎吉、東童の子役名越宏彦らが出演する。

1948年製作/83分/日本
配給:松竹・京都
劇場公開日:1948年3月23日

ストーリー

正純は父法竜寺住職了念の反対も聞かず、大阪から浮浪児一平をつれかえった。寺には妹の明子、間借りしている画家の木田とその娘蕗子がいる。了念はもち論、明子もニガイ顔をしたが、蕗子は喜んでやさしく一平を迎えた。一平は明るい子供の心をとりもどした。とりわけ観音堂の観音様を蕗子と一緒におがんでから、その観音様が好きでたまらなくなった。正純の理想は、多くの浮浪児を教育することにあって、ある日十人あまりの子供をつれて来た。だが一平は蕗子や正純が新しい子供も一様に愛することをさびしく思った。特に山へみんなと一緒に薪をとりにいったとき、ひねくれて他の子供とけんかして蕗子にしかられ、失そうした。蕗子は心配して捜したがどうしても見つからなかった。木田は蕗子を、パトロン相馬の口ききで嫁にやろうとした。正純も蕗子もお互い引かれる愛情を感じていたので悲しかった。寺の経済状態は火の車で正純は非難のまとだった。ある日寺宝調査団が来て観音様を国宝と推薦し時価五十万円の折紙をつけた。正純は浮浪児教育を実現するため売ろうとした。相馬が買いとるというのだ。そのころ一平が再び寺を恋しく思って帰って来たが、蕗子がいってしまうことや、観音様が売られることを聞き、夜になって他の子供と観音様をかつぎ出して山へ逃げた。翌朝大騒ぎとなり、一平らがいなくなったことから、背後にギャングでもあやつっていると思い、村中総動員で山狩りがはじまった。しかし山のどうくつに観音様を安置して「観音様を売っちゃいやだ!」と泣き叫ぶ一平の姿を発見した人々は感にうたれた。--相馬は観音様を買うかわりに浮浪児教育費を投げ出した。もちろん正純と蕗子は結ばれ、一平達に幸せな日がやって来た。

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