劇場公開日 1959年6月23日

その壁を砕けのレビュー・感想・評価

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2.0いくら何でも・・・

2023年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

いくら何でも警察が横暴過ぎ!
殺人が起こった直後に現場を車で通り過ぎただけで、
いきなり車を止めて逮捕するかぁ!?
しかも初めから殺人犯と決めつけてるし・・・
あまりにも強引な話の流れに興醒め!
もうここで、観る気が失せた。

最後も被害者家族の偽証言の所為で犯人扱いされたのに、
本当の事を話したら、涙を流しながら「ありがとう!」って!
普通、激怒するでしょ!?こいつ等の所為で捕まってるのに!!
警察達もよかった、よかった、みたいな態度で他人事。
いやいやいや、お前らが犯人扱いしたんだろう!!

とにかく冤罪としてのきっかけが強引過ぎて、感情移入出来なかった。

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おじ

3.5恋人の力

2023年4月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

男は恋人(芦川いづみ)を迎えに行くため、車を買い、東京から新潟に向った。
途中で妙な男を乗せたため、殺人強盗事件の犯人と間違えられ、逮捕されてしまう。
無罪を信じた恋人の存在が刑事や弁護士を動かす。
とても面白い裁判劇で、追跡シーンもよくできている。

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いやよセブン

4.5可憐な芦川いづみの表情は必見

2022年7月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

新潟駅で待つ恋人・道田とし江(芦川いづみ)に会うため、車でたまたま通りがかった町で冤罪をかけられた渡辺三郎(小高雄二)。一度逮捕した犯人を、おいそれと無罪に出来ない警察組織。
曖昧な目撃証言による冤罪映画の名作があるけれど、「その壁を砕け」も隠れた傑作。よく練られた新藤兼人の脚本、名キャメラマン姫田真佐久の撮影、伊福部昭の音楽、孤高のモダニストと呼ばれた中平康演出など、ベテラン映画人の仕掛けに時間(上映時間100分)も忘れて物語に引き込まれる。
日活黄金期の女優“芦川いづみ”の可憐な笑顔、悲しみ、怒りの表情は必見。
事件の被害者が三郎を指差し「この人です!」と言う曖昧な演技が実にリアルな岸輝子は、劇団俳優座の名優で多くの舞台に立ち、映画でも多くの名作に出演しています。
法廷シーンも映画の見どころの一つ。裁判長役の信欣三が登場すると、社会派ドラマの雰囲気が増す。決定的な証拠がないまま、曖昧な目撃証言で起こる冤罪事件に恐ろしさを感じる。三郎の弁護士役・芦田伸介は、TVドラマ「七人の刑事」の沢田部長刑事役が印象深い。日活アクション映画の常連で、悪役が多かった。「その壁を砕け」では、三郎・とし江を助ける良い弁護士。
映画は、新潟、長岡、柏崎、佐渡へロケーション撮影しており、昭和時代の駅や街並み、度々登場する蒸気機関車、佐渡の桶船などの風景は、昭和時代の映画ならでは。蒸気機関車がトンネルに入ると、機関車の吐く煙が客車内に充満する細かな脚本と演出がリアル。お薦めです。

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papatyan

4.0撮影が鬼すごい。

2022年6月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

夜に起こった殺人事件の話だけに、
当然夜のシーンが多いわけですが、
ライトが当たってない(光がない)ところは=全て写らない、わけで、
それを考えただけでも鬼きつい撮影になるのは素人でも想像つく。
その条件下で、よくもこんな「あっちから来てこっち行って、さらに戻ってきて真ん中で止まる」とか、車が猛烈に走り抜けてくシーンとか、よく撮れるよなぁ〜と関心しきりでした。しかもどのカットも長回しなんかも凝りに凝りまくってる。
牢屋でウロウロするシーンなんて、一生懸命ピンスポ数えたけどわからんかったよ(笑)。
脚本には少しだけ「調子よくね?」と思ってしまったけど、最後までどうなるんだろ?!と手に汗握ったから、やっぱり良い本なんでしょうね。
この監督さんの画面作る力量には本当に心から脱帽だ。
かつ話も面白く、いい俳優が名キャラを演じていて、観ていて心から楽しかったです。

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胃袋

5.0中平康監督によるサスペンス映画の傑作!

2022年6月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

中平康監督によるサスペンス映画の傑作!
テンポ良く物語が進んで先が気になる展開の面白さ、映画的な技巧の極みに見えるシーンの連続、そして出演者も豪華で個性的な役者多数。

聖徳太子の5千円札が並ぶオープニング、若い男(小高雄二)が車を買う。彼は、新潟の病院で働く婚約者を車で迎えに行く。若い男は東京・深川から戸田橋を通って新潟まで車を運転。
場面替わって新潟の病院が映り、そこで働いている看護婦が婦長に「結婚退職」の届けを提出。若い男の婚約者は芦川いづみ。
若い男が真っ暗な夜道を運転して三国峠に入り、道で手を挙げていた男を乗せてあげる。ヒッチハイカー。ここで「何か事件に巻き込まれるのではないか?」と思わせられる。
そしてヒッチハイカーを途中で降ろした直後、若い男は警官に逮捕される。強盗殺人事件が発生した直後の場所だった……という凄い展開。
(この後は割愛)

あちこちで映像面で凝った撮り方が見られる。「暗闇の三国峠を走る車をヘッドライトの点の移動で描くシーン」、「病院を退職した芦川いづみを刑事が尾行するシーンでの横移動や俯瞰撮影」、「場面切替え時には列車移動でワイプする」など、かなり技巧派の監督に思えた。

出演陣は、若いカップルは小高雄二と芦川いづみ、巡査役が長門裕之。
その他、芦田伸介、浜村純、渡辺美佐子、西村晃、岸輝子、三崎千恵子、大滝秀治などなど豪華すぎる俳優たちが登場人物の個性を上手く演じたことも、本作を傑作たらしめた一因。

最後に特筆すべきは、やはり新藤兼人によるオリジナル脚本の素晴らしさ。

これは、日本映画が誇ってよいサスペンス映画の傑作のひとつ。

[追記]これまで、中平康監督の映画は数本しか観て来なかったが、こんなに素晴らしい映画を観てしまうと、やはり全作観たくなる。当面の間、マイブームになりそう…(笑)

<映倫No.11265>

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たいちぃ