情炎(1959)

劇場公開日:

解説

川口松太郎原作の「明治一代女」から「白鷺」のコンビ相良準と衣笠貞之助が共同脚色し、衣笠貞之助が監督した悲恋もの。撮影も「白鷺」の渡辺公夫が担当。

1959年製作/115分/日本
劇場公開日:1959年3月17日

ストーリー

今売り出しの若手役者・沢村仙枝が乗っている人力車の前に、酔っぱらった芸者・秀吉が立ちはだかった。仙枝はかかわり合っては面倒と、露路裏に住む柳橋の名妓・叶家小梅の家に逃げこんだ。仙枝と小梅は幼馴染で、今は相思相愛の仲だった。小梅はサンフランシスコの博覧会に行く、日本芸者代表の一人に選ばれた。明日の別れを惜しむ二人の部屋に、秀吉があばれこんだ。これが翌日の新聞に煽情的に報道され事件は大きくなり、小梅は新富座に仙枝を訪ねたが逢えなかった。アメリカから帰朝した小梅は、仙枝が師匠の菊五郎から破門されたことを知った。小梅の報告会の夜、小梅は仙枝に会うことが出来た。が、日日新聞主幹の三谷桜州に見とがめられ人の道を説かれて、二人は自らの生きる道を知った。仙枝は許されるまで東京に帰るまいと旅に出た。間もなく桜州や小梅の妹芸者小よしのはからいで仙枝は許され、三代目沢村仙之助を継ぐことになった。しかし、小梅は人目を忍んで仙枝に会わねばならなかった。小梅は仙枝が襲名披露の費用が出来ないで困っているのを知りなんとかして自分が作ってやろうと思った。が、千円の大金は女一人の腕ではしょせん無理な話だった。その時、かねてから小梅を狙っていた箱屋の巳之吉が、自分が用立てようといった。小梅は金を桜州にとどけた。巳之吉は小梅に駈け落ちを強いた。粉雪の降る浜町河岸、もつれる二人の影、小梅の手に出刄、足もとには絶命した巳之吉が倒れていた。その日から、小梅の姿は消えた。仙枝の襲名披露の日が来た。仙枝は舞台に立った。菊五郎の口上を聞きながら、一人奈落にたたずむ女がいた。その眼には涙が、頬には満足気な笑みがあった。数刻後、奈落の隅にのどを突いて自殺した、小梅の姿が横たわっていた。

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