恐喝(1958)

劇場公開日:

解説

半生をヤクザで生きてきた界外五郎の自伝風の同名小説を映画化したもので、ヤクザの生態を描くドラマ。芝野文雄・原島正夫が共同で脚色し、「ぶっつけ本番」の佐伯幸三が監督、「みみずく説法」の遠藤精一が撮影した。「無鉄砲一代」の三橋達也、「女侠一代」の淡路恵子のほか、多々良純・岸田今日子・原保美・小沢栄太郎などが出演。

1958年製作/97分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1958年11月9日

ストーリー

昭東興業こと銀座の暴力団の腕利き、大井啓介は恐喝であげられたが、ふた月で娑婆へ戻ってきた。大井が「キャバレー・サンパウロ」で新顔の女給・英子を見たとき、彼はひそかにいけると思った。勿論、彼には女給の節子という情婦があった。彼が「サンパウロ」を出ようとした時、節子が客の山内に送られて出勤して来るのに出会った。ネックレスを引きちぎって、大井は立去った。翌日、大井は山師・奥村の事務所で、某会社の追いたて方を頼まれていた。そこは、奥村が新規に銀座事務所にするはずの所だった。大井は、現在奥村が茅場町で手がけているパチンコの景品買いの権利と引きかえに頼まれた。会社の追いたてを小気味よく片づけて、金を手にした大井は、節子の手切金をチンピラに持たせてやった。が、節子は受取らなかった。山内は彼女にとって何でもなかったのだ。パチンコの景品買いは着々と仕事になりかけていたが、手入れがあるという情報が入った。大井は「サンパウロ」で英子を呼び出して遊びながら、茅場町の事務所をバーに切換える算段をしていた。大井が話をつけに奥村の所へ行ったとき、初めて釘崎なる人物を紹介された。釘崎は奥村の仕事の黒幕だった。バーの開店準備は進み、英子も「サンパウロ」をやめてそこへ来た。だが、大井は英子と特別な関係になっていたのではない。その点では、いつも上手にはぐらかされた。実際の所、彼女には結婚すべきまともな男がいた。ある日、大井は「サンパウロ」で△△組の者と正面から渡り合う破目となった。△△組は昭東興業の落ちめをみこして縄張りの乗っとりを策していたのだ。大井は怪我をし、節子の下宿に運びこまれた。節子は足を洗うよう懇願した。彼女は大井との仲を諦めていたが、大井が彼女にとって何よりも大事な男であることに、一つの変りもなかったのだ。奥村は二十万円の礼金を最後に、昭東興業と縁を切りたいという態度を示していた。大井は、釘崎が政府某公団の経理課長であることを聞いた。いいネタだった。釘崎は大井にゆすられると、あっさり手を打った。五百万円が彼の前に投げ出された。部屋を出た大井には、これで何もかもうまくいくと思えた。がその時、玄関を出た大井に寄り添った男の消音拳銃が、彼の命をさらってしまったのだ。

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