劇場公開日 1958年3月5日

勝利者の復讐のレビュー・感想・評価

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3.5生きるのに不器用な男が再起を誓うもまたズブズブと犯罪に手を染めてしまい、それがやがて彼の妻子にも危険が及ぶ羽目に・・・というクライムスリラー

2022年10月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 天知さんはギャングのボス深沢とその一卵性双生児の弟の二役です。しかしながらその一人二役の特性を脚本が上手く生かせておらず、弟の目立った行動しては主人公の妻房江を暴行して自死させたぐらいで、その後に深沢が証拠隠滅のために彼を消してしまって以降はギャング一味と前島父子のよくある追走劇になってしまったのが非常に口惜しい…。どうせなら、

・前島と警察が協力して深沢一味に決死の罠を張る

・その罠にかかって一件落着・・・かと思いきや、一連の犯罪が深沢かもしくはその弟による犯行によることは明らかなものの、それぞれがどちらによる犯罪なのか証拠不十分で立証出来ない

・結局は二人を逮捕起訴できず、全ては深沢の計略通りに悪が悠々と逃げおおせて終幕

というように双子ゆえのアドバンテージを悪魔的に利用したピカレスクロマンに仕立てれば傑作とはならずとも秀作たり得たのではないでしょうか。

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O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)