逢いたいなァあの人に

劇場公開日:

解説

「坊ちゃん大学」の中田竜雄の脚本により、同じく伊賀山正光が監督、「血まみれの決闘」の佐藤三郎が撮影した歌謡メロドラマ。主演は「爆音と大地」の中村雅子、「霧の街」の今井俊二、「別れの茶摘み歌 お姉さんと呼んだ人」の島倉千代子、「こけし子守唄 夕やけ鴉」の松島トモ子。ほかに藤里まゆみ、高木二郎、古賀京子など。

1957年製作/57分/日本
原題:Want to See My Lover
劇場公開日:1957年10月8日

ストーリー

伊豆の連山を背景にバスが走ってゆく。車中で手紙を読んでいた春江はふと手紙を窓から飛ばしてしまった。たまたまそれを拾った敏男は、春江と幼なじみで二人ははからずも十数年振りに再会したのであった。敏男は今大学生、春江は行商に出ている身であった。そのころ村の有力者の順造が春江に縁談を持って来た。彼女には有難迷惑なのだが、良家の息子清太郎なので母親は無条件に承諾してしまう。只一人兄の許婚者の八重だけが春江の味方だった。やがて秋祭が訪れ、春江は将来の婚家として清太郎の家に心ならずも挨拶に行かされる。帰途、意外にも敏男に出会った。二人の間を嫉妬した清太郎は、敏男を待伏て暴行したが、二人の心は固く結ばれて行った。一方、春江の結婚式の準備も進められており、彼女は毎日、気が気でない日の連続だった。東京に帰った敏男は伯父の反対や、彼を慕う令嬢の妨害で春江との音信を断たれてしまう。ついに意を決した春江は家出して敏男を尋ねてくるが、またさえぎられ会うことができなかった。春江は生きる希望をなくしていた。雨の中を虚ろな気持でさまよっていた。そんなことから、どっと病の床に就くがすでに手遅れ。親しい人達に看取られて、春江は哀しく世を去って行った。

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