劇場公開日 1957年7月30日

危険な英雄のレビュー・感想・評価

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5.0タイトルが主演の慎太郎を体現したある種の傍若無人なところやマスコミ批判も含めた社会ドラマ

2022年3月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

鈴木英夫特集にて

主演が何と!石原慎太郎!石原裕次郎の兄貴で作家で数々の暴言でお馴染みですの方です。

この時期まで裕次郎の映画に何本かゲスト出演しているが、主演は3本程。
そういえば三島由紀夫も主役の映画が、あったが演技はちょっと?だったが再見すると味がある
志村喬や三船敏朗(特別出演枠)や仲代達也も出演しているので、よくある添え物ではないと思う。

ネタバレあり

誘拐事件を報道する2流新聞の記者石原慎太郎。
当時は警察とマスコミとの報道協定が無い時代らしく、盗み聞きした情報を、朝刊にのせて身代金の取引を邪魔してしまい、誘拐された家に勝手上がり込み無理矢理インタビューなどの傍若無人で、警察関係者のみに配布したモンタージュ写真を勝手に掲載して焦った犯人が誘拐した少年を殺してしまう。

ひどすぎの一言。マスゴミ状態。

この映画の6年後に作られた、黒澤明の「天国と地獄」では、その辺がキチンと解決されているが、誰が犠牲にならないと変わらない想像力の欠落は、日本の専売特許か・・

ちなみに慎太郎の演技は、思ったより悪くないが、セリフの明瞭や滑舌は、やはりプロの役者と比べると劣る。あと弟ほどのカリスマ性も無い。

当時の鈴木英夫監督は、何でも職人みたいな扱いらしいが、犯罪物や非情な人間ドラマに切れ味を発揮していたらしい。
劇場に鈴木英夫監督インタビューが掲載されていたが、演技にはボロクソ。目が死んでると。
しかも自分でプロデューサーに売り込んで役を手に入れたらしい。

タイトルが主演の慎太郎を体現したある種の傍若無人なところやマスコミ批判も含めた社会ドラマで、映画自体は、当時の風景も含めて楽しめます。

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