わが胸に虹は消えず(二部作)

劇場公開日:

解説

文化放送をはじめ全国十九局で二百回を突破した矢代静一、山田隆之作の連続ラジオ・ドラマを「アチャコ行状記 嫁取り試験」の若尾徳平が脚色。監督は「この二人に幸あれ」の本多猪四郎、撮影は「東京だョおッ母さん」の栗林実。主な出演者は「あらくれ(1957)」の上原謙、「「動物園物語」より 象」の河内桃子、「恐怖の弾痕」、の宝田明、「浪人街(1957)」の高峰三枝子、「東京だョおッ母さん」の杉葉子、伊藤久哉、「嵐の中の男」の根岸明美ほかに江原達治、平田昭彦など。

1957年製作/133分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1957年7月9日

ストーリー

一部--麻生周吉は、亡妻に生写しの娘伊久子をこよなく可愛がっていたが、伊久子は彼の実の娘ではなかった。彼の外遊中、妻の過失で生れた子なのだ。無論彼女はこのことを知らない。その彼女には意中の人がいた。周吉が部長をしている磯崎造船の専務の甥、伊東である。ある夜、伊久子は、伊東と葉山の海へ行く、といったが、周吉は反対した。そんな伊久子に、伊東との仲を嫉妬している周吉の秘書室町清子は、伊東と一緒に葉山へ行って楽しく遊んだ、とわざと誇張して告げた。信じていた伊東への期待が一時に崩れる思いで、伊久子はその場に倒れた。かつぎ込まれた会社の医務室で、医師の篠崎は彼女に挑みかかろうとしたが、伊久子は危うく逃れた。そこへ弟の純が伊東に直接会って、清子との仲は何でもないことを聞いて来た。飛立つ思いで、伊東のところに出掛けようとする伊久子の許に電報が来た。姉阿津子の夫で騎手島田からだった。阿津子が失踪してしまったという。伊久子は直ぐ福島へ発たねばならない。しかし、その前に伊東にも会いたい。約束の場所で伊久子は意外にも、清子と伊東とが抱合ったまま自動車で去って行くのを見た。茫然とする伊久子。しかし、これは伊久子に横恋慕した医師篠崎の打った卑劣な芝居だった。篠崎は与太者を使って伊東を襲わせ、倒れたのを見届けてから清子に名も告げずに電話したのだ。二部--姉の無事を見届け帰京した伊久子を、ある日周吉は箱根に誘い、伊東との結婚を許した。その数日後、造船所を視察していた周吉は、工員の不注意から失明した。気力の衰えた周吉は、伊久子に、その出生の秘密を告白した。余りの驚きに顔色を変えて病室から飛び出して来た伊久子に、伊東が突然求婚した。だが、伊久子は、“私の血は汚れている、貴方に価しない女です”と伊東の手から逃れた。その彼女の前に篠崎が現われた。強引に抱きしめようとした篠崎が、不意によろめいた。弟の純が駈付けたのだ。彼の右手にはナイフが光っていた。次の瞬間、篠崎は路上に倒れた。我にかえった純が辺を見廻すと、夕暮の路上には既に伊久子の姿はなかった。

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