強情親爺とドレミハ娘

劇場公開日:

解説

ニッポン放送ほか民間放送二十三局で放送している連続ラジオ・ドラマ、大島得郎の「金語楼の強情親爺」の映画化。「ますらを派出夫会 男なりゃこそ」の新井一が脚色、小田基義が監督、西前弘が撮影した。主演は「ますらを派出夫会 男なりゃこそ」の柳家金語楼、有島一郎、小原新二、環三千世、横山エンタツ、「お転婆三人姉妹 踊る太陽」のペギー・葉山。当初のタイトルは「強情親爺とドライ娘」。

1957年製作/55分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1957年6月26日

ストーリー

横丁の名物、強情親爺の寿司屋の金五郎は大の義太夫気違いで今日も電話で一席唸っている。折角新しく電話がひけたから、師匠にさらってもらっているというわけである。矢張り文明の利器は便利なものだ、とすっかり御機嫌の金五郎にも悩みの種がある。それは一人娘のしげ子で、彼にはさっぱり判らぬジャズ歌手志望なのだが、最近ちょくちょく勤めからの帰宅が遅くなることである。そんな時、この横丁に一つの事件が持ち上った。三月程前に取換えたばかりの横丁の下水管を、またつけ換えるのだと作業員たちがやって来て道路を掘り始めたのだ。これはてっきり悪徳区会議員のニコポン堂依田が土建屋と結託しての仕事だと見当をつけた金五郎は、一旦は作業員たちを追い返したが、数日後実は職にあぶれた作業員たちの救済事業のためにニコポン堂が無駄を承知でやり始めたのだと聞いて、またぞろソソッかしい義侠心を出して自分でも手伝い始めた。その上昼めしのサービスは勿論、夜遅くまで他の客を断ってまで店をすっかり開放して、飲み食いをタダでさせるという大変な熱の入れようである。そんなある日、今日も十二時近くなって帰って来たしげ子は恋人の青年牧野を連れて店に入って来た。彼女は牧野のすすめでレコード会社へテストに行き見事合格、今度会社と契約するところまで話は進んでいるのであった。親に無断で話を進めたことに怒った金五郎は、牧野の強いての頼みをも断った。余りの強情ぶりに、しげ子は下水工事の真相を親爺にたたきつけて、牧野の後を追って家を出てしまった。真相とは、この横丁から昔の小判が出るかも知れぬというニコポン堂の私利私欲がからんでいるのだという。翌朝元気に帰って来たしげ子をみて、一時はしょげていた金五郎も勇気百倍、穴の中にビックリ箱を仕掛けてニコポン堂を見事やっつけた。今日は町のお祭り。唄のコンクールに見事当選、賞品としてオート三輪を、かねてからほしがっていたダイ吉、ハツ助の落選組にそっくり渡すテレビの中のしげ子を、金五郎は人だかりの後で涙ぐみながらジーっと見ていた。

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