第十三号棧橋

劇場公開日:

解説

霧の港に碇泊した貨物船が廿四時間後に出港するまでに展開する、貪欲の牙と赤裸々な人間悪の葛藤を描く。今官一の原作を、「雨情」の八木隆一郎が脚色し、「拳銃を捨てろ」の小石栄一が監督するサスペンスドラマ。撮影は「喧嘩社員」の星島一郎。主な出演者は、「喧嘩社員」の高倉健、「女優(1956)」の日高澄子、ほかに中原ひとみ、千秋実、三条雅也、山本麟一、黒田幸子など。

1957年製作/75分/日本
配給:東映
劇場公開日:1957年4月9日

ストーリー

矢間大吉は貨物船黒鹿丸の一等運転士、碇泊したその夜、船の通信士が殺される。矢間は馴染の事務屋の武庫長助の所へ行き、秘書のマリと浮浪児の正子に久しぶりに逢ったが、武庫の口振りから船の砂糖袋の中に密輸品が隠されている事を察知。翌朝、みなぎる活気の中を女沖仲仕たちがボスのたか子を先頭に艀で貨物船に向う。荷揚げの最中、突然ウィンチマン瀬田が操作する砂糖袋の一つが舷側にいた運転士を横なぐりに叩きつぶした。そして袋の破れ目から真赤なサソリが。袋の落ちた海中にダイバー池田が潜る。矢間は密輸にからんだ組織的殺人と睨むが、犯行と無関係の様でいて常に現場に居合すたか子と、荷揚げを監査する大東検数の内部がどうも怪しい。浮浪児の正子は池田が隠した謎の革袋を偶然拾ったが、池田は瀬田と大東の五味に殺されていた。関係者を集めた大東検数の十周年記念の当日、今はうちとけた矢間とたか子が鮮やかに踊る中を、五味たちが必死になって正子を探す。マリが革袋の一件を武庫に知らせ、謎が判った彼が眼を輝した途端、すごいけいれんを起して倒れる。真赤なサソリ。武庫、矢間、たか子をのせた車は病院へ走ったが、彼女は後を追ってマリと正子が乗った車を見て愕然とする。五味の車だ。彼女は実は正子の母親。上海で引揚げの時別れ別れになったが、腕のマの字のいれずみが親子の印だったのだ。矢間を伴った彼女は思いつめた表情で密輸団の本拠へ急行。果して二人は監禁されていた。そして矢間が危機に追いやられたときたか子が五味を射った。彼女は実は今まで五味の相棒だったのだ。そして彼女も亦五味の挙銃に倒れた。息をひきとる時に正子とめぐり会えたが我が身を恥じて母と名乗れぬ辛さ--。革袋にはダイヤがつまっていたがそれは武庫に譲り、矢間は再び船上の人となった。

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