お嬢さん登場

劇場公開日:

解説

雪村いづみのジャジャ馬娘を中心とした明朗篇。「暗黒街」の山本嘉次郎が「花嫁会議」の椿澄夫と共同で脚本を書き、山本嘉次郎が監督した。撮影は「ますらを派出夫会」の芦田勇。主な出演者は「青い芽」の雪村いづみ、「吸血蛾」の池部良、有島一郎、「続へそくり社長」の吉川緑波、「金語楼の兵隊さん」の柳家金語楼、「のり平の浮気大学」の三木のり平、他に宮城まり子、益田キートンなど。

1956年製作/78分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1956年8月8日

ストーリー

東京から数時間の城下町にある上泉道場は、代々剣道指南をつとめた家柄だが、今では当主は病身息子は東京で寂れていた。これを心配した元家老で今はミルク屋の大野が、自分の牧場に勤めているトンコちゃんに面倒をみさせることにした。剣道が好きで自分でも嗜むトンコは喜んで引受けた。或る日土地の新聞社が剣豪小説のタネを捜している小説家を連れて道場にやって来た。巧みな太刀さばきの主が美少女と判ると二人はびっくり仰天した。その結果新聞にはデカデカと書き立てられ道場は繁昌しはじめた。それを聞いたノリ助、イチ助というルンペンが道場破りで一儲けしようと乗り込んで来たが、かえってトンコに打ちのめされてしまった。当てがはずれた二人が、今度はミルク屋にしのび込もうと相談しているのを聞いたのが、トンコに世話になったバタヤの少年だった。知らせを受けたトンコが二人を追払ったので、喜んだ大野はこの少年を雇うことにして、お風呂に入れたところ美しい少女に変ってしまった。彼女はマリ子といい全国を廻るため男に化けていたのだった。八幡様の奉納試合が近づき、今年は城主伊達島金梨も帰国するというので、道場は大賑いだった。トンコも大勢に稽古をつけていたが、今しも相手になった人の顔をよくみると、写真を見て以来忘れられなくなってしまった正夫その人なので、ポーッとなって簡単に敗けてしまった。やがて試合の当日、並いる競争者を破って見事優勝ときまった正夫が、殿様の隣りに坐わっている令嬢からカップを受けとることになった。よくよく見ると、先日自分が打ち込んだ時のアザそのままのトンコなので、今度は正夫がボーッとなった。

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