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解説

中央公論社発行の“少年少女”に掲載された余寧金之助の『郵便机』を、「驟雨」の水木洋子が脚色し、「若い樹」の本多猪四郎が監督した。二部授業の生徒の間に交された一通の手紙をめぐる友愛の物語。撮影は「市川馬五郎一座顛末記 浮草日記」の前田実。主な出演者は「旅がらす伊太郎」の高橋貞二、「続へそくり社長」の小林桂樹、「天国はどこだ」の沼田曜一、「鬼の居ぬ間」の木暮実千代、「銀心中」の宇野重吉など、いずれも日大芸術学部出身者として協力出演している。

ストーリー

母と弟の三人で母子寮に暮していた鮮太は、昼間は郵便局に勤め、夜は中学に通っていた。ある日学校へ行った鮮太は、自分の机の中に「夜の僕の机の友人へ」と書かれた昼の生徒、水野良平からの手紙を見付けた。忘れて帰った筆箱を知っていたら返して下さいという手紙は、昼間働いて夜勉強している貧しい生徒たちには刺激的だった。鮮太は直ぐに返事を机の中に書いておいた。「僕がしゃくにさわったのは昼の君たちが夜の生徒は物を持って行くと始めからきめている様な手紙の書きぶりに対してです」。翌朝良平がこの手紙を読んでいると、それを見付けたクラスメートが曲解して、はじめは私信程度のものだったのに、夜と昼との生徒の間に嫌悪な感清を引き起こしてしまった。放課後、街頭募金に町に立った昼の生徒が夜の生徒の登校を待ち受けたりするのをみると良平はすっかり考え込んでしまい、ついに父に訴えた。問題の筆箱が間もなく先生から戻って来ると、彼の後悔は深かった。事件の数日後、学校へ行った鮮太が机をあけると、お詫びの手紙と一緒にリンゴが入っていた。そのお礼には良平の家に珍らしい郵便切手が送られたりして、お互に顔も知らないまま、中学生らしい友情が芽生えて行った。ある午後ひそかに鮮太の仕事ぶりを見に行った良平は、帰途、電車の中で女の子がなくしたマリを車内の人が協力して捜してやったのを目撃して人の世の相互扶助の尊さを思い知った。やがて学期試験が始まった。あいにく停電した教室の中、ローソクの下で鮮太は自分の試験も良平たちもうまく行くようにと思いながら一心にペンを走らせていた。...

キャスト

作品データ

製作年 1956年
製作国 日本
配給 大映
上映時間 43分

提供:株式会社キネマ旬報社

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