花の長脇差

劇場公開日:

解説

「雪の夜の決闘」の衣笠貞之助が脚本監督する時代劇で、撮影も同じく「雪の夜の決闘」の竹村康和が当っている。音楽は「一等マダムと三等旦那」の服部正。出演者は「お菊と播磨」の長谷川一夫、「女の園」の高峰三枝子、「舞妓物語(1954)」の入江たか子、歌舞伎俳優の市川猿之助、「血ざくら判官」の進藤英太郎、「勲章」の小沢栄などである。

1954年製作/97分/日本
劇場公開日:1954年4月28日

ストーリー

三河屋団十郎と呼ばれた嵐門右衛門はある日旅の舞台で倒れたが、残った一座を更に盛り立てたのは若年の門次郎であった。この一座がある時東海道知立の宿で興行の蓋をあけようとする時、見物衆の贈った三河団十郎という幟が賑やかに立てられていたが、それを見て気色を害したのは、折柄ここを通りかかった江戸の名優市川団十郎であった。彼の弟子達は、血気にまかせて、その幟をみな引きぬいて川中に投げこんで暴れ廻ったので、門次郎は長脇差を引っ下げて単身宿に乗りこみ、逆に団十郎に詰め寄った。その態度に感じた団十郎はあらためて自分から幟を贈ろうと約した。その帰途門次郎は、宿の女主お梶の妹のお藤という娘に会ったが、これこそ彼のかっての恋人だった。お藤の亡父は、十年前に彼を世話して武術修業に旅立たせたのだが、期待に反して彼は役者となって消息を絶ったのだ。ところで、翌日の初日には門次郎の弁天小僧が、江戸の団十郎も見物に来るというので大人気だったが、お藤に件われて来た彼の母萩乃は、役者風情に身を落した息子を見て苦い顔をした。閉幕後、団十郎は一座の者に賞讃と注意を与え、自ら「小孤」を演じてみせた。その後土地の顔役権太郎は、この土地で興行することを団十郎に強要した。勿論それを拒絶して団十郎はこの地を去ろうとしたので、やくざ達は待ち伏せして彼を襲った。急を知って馳せ参じて団十郎を救ったのは、門次郎を先頭とする一座二十名の者だった。やがて賑やかに開いた「車引の場」、門次郎の梅王に見入るのはお藤と母萩乃である。

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