風来坊(1954)

解説

山手樹一郎の原作を「遊侠夫婦笠」の永江勇が脚色し、福田晴一が監督し、倉持友一が撮影を担当している。山演者は「求婚三人娘」の若杉英二、「女の園」の井川邦子、「勢揃い 大江戸六人衆」の草島競子などのほか、大津香澄、青山宏などである。

1954年製作/日本

ストーリー

東海道平塚の旅篭桔梗屋の女主人お菊は早くから両親に死に別れ、小田原本陣に預けてある弟政太郎の成長だけを楽しみに女の細腕一本で今日迄やって来た。旅の風来坊勘八はそのまま桔梗屋に下男として居ついた。お菊は勘八が唯の風来坊でないと、好奇の眼で見守っていたが、土蔵の中で目のゴミを取って貰おうとして勘八に抱擁されて以来、忘れられぬ人となった。或る夜政太郎が見知らぬ女を連れて帰って来た。小田原の芸者小染である。駈落した政太郎は小染が土地の親分椿屋権兵衛から借りた百両の工面をつけに来たのを知って狂女の如く怒るお菊を、勘八は取りなした。だが権兵衛は用心棒金子新九郎を連れて乗りこんで来た。金を出そうとするお菊を止めた勘八は、「実は江戸で人を斬った兇状持ち」と隠していた素性を打明けると、権兵衛らを海岸へ促した。砂丘の上で何か宿命的な過去を背負っている様に構え合う二人。勘八は新九郎を倒したが、自分も肩に傷を負った。その時家督を弟夫婦に譲り勘八の後を追って、お菊が駈けつけて来た。勘八はつと岩蔭に身をかくしお菊をやり過すと、お菊が落していった櫛を拾い上げ、呟く様にお菊の名を呼んだ。

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