霧の第三桟橋

劇場公開日:

解説

竹中美弘の製作になるスリラー映画で、「白鳥の騎士」の井手雅人のオリジナル脚本を、「半処女」の内川清一郎が監督している。撮影は「人形佐七捕物帖 通り魔」の河崎喜久三。出演者は「風雲八万騎」の三浦光子、「早稲田大学」の舟橋元、「花の生涯」の柳永二郎、「青春ジャズ娘」の安西郷子のほかキングの津村謙、双見真沙子。アクロバットの宝塚楽三郎、龍晶海、龍芳明が特別出演している。

1953年製作/99分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1953年10月21日

ストーリー

横浜港の検疫医浜崎俊は貨物船の中で盲腸で苦しんでいた美貌の朱麗蘭を病院に送りこんだが、彼女こそ香港のギャンブルボス劉丁徳の手先で、一足先に入国した劉の許に密輸宝石を運ぶ所だったのだ。劉はある楽団のマネージャーになりすまして賭博、ドル買いに暗躍し、当局の必死の捜査も確証を得るに至っていなかった。浜崎には宇野純子という恋人があったが、現在の仕事に満足しない彼は、麗蘭の手づるで香港に渡り、自分の惨めな境遇を飛び出したいと思っていた。既に浜崎に惹かれていた麗蘭もまた彼のためならばどんなことでもしようと約束した。当局の目が厳しくなって仕事に支障を来してきた劉は、麻薬の陸揚げに浜崎を利用することを麗蘭に命じた。麗蘭は劉には大恩があるし、かと言って浜崎を瞞す事は出来ないし、思い悩んだ。麗蘭との関係を案じた浜崎の友人浦上刑事の忠告をも聞きいれなかった浜崎も、純子の父で模範衛生係の宇野老人の退職演説を聞いて、やっと迷夢から醒めた。彼は検疫医としての自分の使命を深く自覚した。いよいよ切羽つまった劉は麗蘭と共にフィリッピンへ高飛びしようとし、麗蘭は劉から逃れようとして浜崎を誘い出した。夜更けの横浜駅で劉とその手下黄、浜崎の間に乱闘が行われる。劉にコルトを突きつけられた浜崎を乗せた発動機艇が、夜霧に濡れた第三桟橋を静かに離れる。が、浦上刑事の連絡で国警と保安隊が出動し、港内巡視艇の照明のもとで激しい拳銃の乱射が行われた。一瞬、麗蘭は帽子のピンで劉を刺し、自らも劉の拳銃に倒れた。暁の迫る時刻、波しずかな第三桟橋には、助かった浜崎と純子の寄り添う姿が見られた。

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