勘太郎月夜唄

劇場公開日:

解説

「振袖狂女」に次ぐ大映と新演技座の提携作品で、「すっ飛び駕」と同じく亀田耕司の企画である。脚本は「歌くらべ荒神山」の八住利雄、監督の田坂勝彦は田坂具隆監督の実弟で、稻垣浩、伊藤大輔、マキノ雅弘、衣笠貞之助などの諸監督に師事し、今回一本立となったもの。撮影は「新やじきた道中」の牧田行正。出演者の主なものは、「振袖狂女」の長谷川一夫、「原爆の子」の乙羽信子、「大学の小天狗」の香川京子、「怪談深川情話」の堀雄二のほかに、横山エンタツ、清川虹子、長谷川照容などである。

1952年製作/77分/日本
配給:大映
劇場公開日:1952年9月11日

ストーリー

伊那の町で、暴れん坊で通った勘太郎は、土地の嫌われ者の親分、鐘鬼の荒平へたった一人で殴り込みをかけ、衆募敵せず簀巻にされて天龍川に投げ込まれ、それ以来消息を絶った。そして三年、死んだと噂された勘太郎が、天龍川上流の飯場へ姿を現したという話が、彼に救われた馬方の源公からもたらされた。勘太郎をひそかに思い続けていた長海寺の娘おみつはその噂に胸をおどらせ、父了海和尚にそれをつげた。しかし了海こそ三年前、簀巻の勘太郎を救いあげ、ひそかに江戸へ立たせた人であった。勘太郎は恩人の娘お京を思っていたが、お京が新吉と相愛の仲と知ると、お京に横恋慕してこの二人の間を邪魔だてする荒平の家へ、二人の婚礼の夜単身きり込んで、お京と新吉の結婚を無事にすませてやったのが、三年前の簀巻事件の真相であった。それを知る了海は、娘おみつの片思いを不びんに思った。しかし、久しぶりに帰って来た勘太郎は、新吉が弱気なためバクチに手を出して家屋敷まで抵当にして荒平から金を借りたり、その急場をのがれるため偽天狗組の強盗団に加わっていることなどを知って身は荒平一家につけ狙われながらも、新吉のため金を作ってやることを約した。が、新吉は、お京と勘太郎の仲を疑って勘太郎を荒平に売ったばかりか、おみつが親切心から役立ててくれた金をバクチですってしまった。新吉の余りの卑劣さに、お京の幸福のためにも彼を斬ろうとした勘太郎も、お京が尚も深く新吉を愛しているのを眼のあたり見て、二人の幸福を祈って黙って伊那を立退こうとしたが、折から襲いかかった荒平一家に怒を爆発させて、斬って斬って斬りまくった。一度は堅気と決心した勘太郎も、しょせんはやくざにおちる運命であった。凶状を持った身を、伊那に心を残しながら、去って行くのであった。

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