青春前期 青い果実

劇場公開日:

解説

若杉憲の原作を「城取り」の池田一朗と「白い雲と少女」の森本吉彦が共同で脚色、「丘は花ざかり(1963)」の堀池清が監督した青春もの。撮影は上田宗男。

1965年製作/91分/日本
配給:日活
劇場公開日:1965年5月16日

ストーリー

東京の明道高校に転校して来た椎の木武志は、無口でニコリともしない一種独特の雰囲気をもっていた。そんな武志に級友の河合奈津子は魅かれていった。だが武志は頑に奈津子の視線を拒否した。ある日の夕方、路上で言い合っていた二人は、チンピラ大学生三人に言い寄られ、武志は思いあまって空手で三人を路上に倒してしまった。この出来事をきっかけに武志と奈津子はうちとけていった。それは女に嫌悪感をもつ武志と母親が生れつき憎いという奈津子に共通の世界があったからかも知れない。数日後、武志の行きつけの喫茶店“モンク”で待ち合わせた奈津子は、来合わせたあの日のチンピラ学生に強姦された。近くに住む国信先生につきそわれ自宅へ帰った奈津子は、母親富枝の叱責に耐えられず家をとび出した。翌日登校した奈津子は、国信先生の口からPTA会長千田夫人に伝わり、千田洋子が事件を知っているのに愕然とした。武志は奈津子から話を聞くと仕返しをすると怒りたった。噂は広まり武志は国信先生に辞表を出すよう迫った。波紋は学校中の問題となって拡がった。その頃、奈津子は信州の叔父の家に預けられた。武志は信州を訪ねると奈津子に東京に帰るよう説得した。奈津子の心は、自分が汚されたという不安でいっぱいであった。東京に帰った奈津子は、らちのあかない学校の態度に窮地に追いこまれると、遂に自殺をした。逆上した武志は、奈津子を犯した三人の学生を見つけ、空手で殴り倒した。一命をとりとめた奈津子は、病院で武志の叔父から、武志が父の死後母の情事をかいま見、男を空手でメッタ打ちにして以来武志は女に対して、空手に対して強度な恐怖感を覚えるようになったと聞かされた。奈津子は、“モンク”で武志に会うと、しっかり瞶め合った。

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