流し雛
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解説

愛弟子大槻義一の監督昇進を祝して、「今年の恋」の木下恵介が自らの原作を脚色してそのスタートを飾った純愛もの。撮影は「ご機嫌はりきり娘」の成島東一郎。

ストーリー

乙丸音也は新橋にレストランを持っている。彼は中学卒業の直前、九州から上京して苦労を重ね、終戦後、妻の文枝と新橋の駅前で握り飯を売ったのが始まりで、現在の地位まできた。音也は三十年も別れていた不幸な母ふくに、楽な暮しをさせたいと思い、引き取ることにした。音也夫婦には光太郎と保という二人の息子がいる。そして、運転手の八木が毎朝通ってくる。ふくが上京した日、お手伝いさんとして住み込むことになったふみ子が、母のはつに連れられてきた。ふくとふみ子と八木はすぐ親しくなったが、文枝はふくが好きになれない。ある日、口やかましい隣家の隠居に過ってふくが石を投げたことから、文枝は一緒に暮せないと夫に訴えた。そんなとき、はつが郷里へ帰って宿屋の女中になるといって、ふみ子に別れを告げにきた。八木はふみ子に親しみ以上の感情を抱いていた。ふみ子も八木にほのかな愛を感じていた。世間態を気にした文枝は音也に注意させたが、八木はまじめな恋愛だと反駁し、音也がとめるのもきかず乙丸家を去った。春になって、はつからふみ子の許へ流し雛を二組送ってきた。三月三日の夜にその紙雛を抱いて寝、翌日川へ流すと、厄を流してくれるという鳥取地方の紙雛である。ふみ子は一組を文枝に贈った。そのとき、八木が交通事故で入院したことが判り、ふみ子は雛を持って病院へ駆けつけた。音也もきていた。八木のケガは軽かった。タクシーの運転手はこりごりだから、音也の店で働きたいと八木はいった。音也が帰宅すると、文枝がふくと一緒に暮せないと、日ごろの不満をブチまけた。ふくも九州へ帰る決心をしていた。音也はふくを連れて熱海へ出かけた。その途中、ふくは「わたしにもいけないところがありましたよ」としみじみ語った。一方、ふみ子がくれた紙雛を抱きながら、文枝は一晩中泣いた。一夜が明けた。三月三日は文枝の母の命日である。文枝はふみ子母娘の美しい愛情を想い、今は音也が母をかばう気持を素直に首肯する心になっていた。熱海の宿へ電話をかけてから、文枝はふみ子と多摩川へ流し雛に出かけた。八木もふみ子から貰った雛を持って、光太郎とやってきた。二組の紙雛は川波に揺られながら流れて行く。...

スタッフ

監督
脚本
木下惠介
原作
木下惠介
撮影
成島東一郎
美術
佐藤公信
音楽
木下忠司
録音
田中俊夫
照明
飯島博
編集
杉原よ志
スチル
西田俊造

キャスト

作品データ

製作年 1962年
製作国 日本
配給 松竹
上映時間 77分

提供:株式会社キネマ旬報社

DVD・ブルーレイ

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