番格ロック

劇場公開日:

解説

番格とは、番長と同格の組織の用心棒のことで、番長が統率者として行動を控えるのに対して、先兵となって行動を起こす腕と度胸の一匹狼でもある。映画は、この番格の生態をドキュメンタリー・タッチで描く。脚本は「非情学園ワル 教師狩り」の山本英明と「エロスは甘き香り」の大和屋竺、監督「ネオンくらげ」の内藤誠、撮影は「セックスドキュメント モーテルの女王」の稲田喜一がそれぞれ担当。

1973年製作/83分/日本
配給:東映
劇場公開日:1973年9月25日

ストーリー

ハンター朱実を総番長とする、赤羽駅を中心としたスケ番グループ“赤羽百人会”は、池袋のクラブの鷹を総番長とする“池袋騎兵隊”との戦いに敗北を重ねていた。田口由紀子、通称音無し由紀子と呼ばれる赤羽百人会の番格が、女子特別少年院を退院した。由紀子の頭には焼きついて離れない二人の名があった。一人は恋人の勝と、少年院で対立し決着のつかなかったアラブの鷹だった。冷たく感情を表わさないアラブの鷹に由紀子は、一種の憧憬と闘争心を燃やしつづけていた。赤羽に戻った由紀子は、朱実とアラブの鷹との総番長同士の対マンの話を取り決めるべく、使者をかって池袋へ行くが、池袋騎兵隊の激しい攻撃を受け目的を果せなかった。その頃、由紀子は城北睦会のちんぴらになっていた勝と再会した。勝の兄貴分・沖田は、かつてアラブの鷹に頬を切られ復讐の機会を狙っている。ある日、沖田は騎兵隊のリンダを捕え、アラブの鷹の居場所を聞き出そうとするが、口を割らないため惨殺した。警察ではこの事件は由紀子の仕わざだと疑った。だが、沖田の仕わざと見抜いていたアラブの鷹は、沖田を襲うが失敗する。一方、由紀子は、アラブの鷹をついに探しあてた。荒川堤。二人は向かいあった。激しい応酬の末、由紀子はアラブの鷹を倒した。だが、現われた沖田と勝は、病院へ運ぶと言い残してアラブの鷹を連れていった。沖田は永年の怨みを動かぬアラブの鷹の体に加え、勝に犯させ、麻薬を射ちこんだ。証拠不十分で釈放された由紀子が街に戻って来た。そして、ソープランドで働かせられているアラブの鷹を見つけた。由紀子は勝を問いつめるが、彼はシラを切る。翌日、勝のアパートを訪れた沖田は、ライフルに胸を射抜かれ血に染まった。そして、信じられない顔つきで由紀子を見つめる勝に向って、由紀子はゆっくりと引金を引いた……。

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