アリオン

劇場公開日:

解説

古代ギリシア神話時代を舞台に、苦難を乗り越えて成長する若者を描くアニメ。脚本・監督は「クラッシャージョウ」の安彦良和、共同脚本は「セカンド・ラブ」の田中晶子がそれぞれ担当。主題歌は、後藤恭子(「ペガサスの少女」)。

1986年製作/118分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1986年3月15日

ストーリー

神と人が分たれる昔、トラキアの荒野で盲目の母デメテルと暮すアリオンは、伯父ハデスに冥府世界へ連れ去られた。ティターン族の父王クロノスの死後、三兄弟の長男ハデスは地底王、次男ポセイドンは海王、三男ゼウスは地上王となり、デメテルの盲目は呪いが原因で、その源は母子を捨てたポセイドンと、ハデスはアリオンに教える。呪いを解くべく、怪力獣人ギドと少年セネカを従え旅に出るアリオンは、ゼウス軍に捕われるが、口のきけない少女レスフィーナに救われた。ゼウスの娘アテナは軍の指揮をとり、彼らの後を追うが、折しもポセイドン船団が押しよせる。アリオンはポセイドンと出会い、レスフィーナが双子の妹と知り、再び両軍の戦いの中、アテナ陣地へもぐり込み、アテナの兄アポロンと対面した。そして、又しても出現したハデスを己れの欲望のために生きる汚ない奴となじって殺すが、ハデスの亡霊はアリオンにとり憑いて、彼はポセイドンを殺してしまう。我に帰るアリオンは父殺しの罪におどろき、セネカやギドと陣営を脱出。王を失ったポセイドン軍はアテナ軍の前に滅んだ。一方逃亡行のアリオンは黒の獅子王にアソス山の隠者リュカオーンを訪ねるよう助言され、隠者に時と空の狭間へと誘われる。ティターン族の過去、ゼウス三兄弟の父殺し、デメテルを犯すポセイドン、それを目撃してハゲ鷹のえじきになる青年、オリンポス宮中にいるレスフィーナ--。アリオンは真の敵こそアポロンと知り、オリンポスに上陸し、エートス老人にプロメテウスの伝説を聞く。ティターンの血をひく、ゼウス兄弟のいとこであり、エートスの娘パンドーラの夫プロメテウス。彼こそあのえじきとなった青年であり、アリオンはゼウスに虐げられた民衆らとオリンポス宮殿に潜入すると獅子王が現れた。彼こそアリオンの実の父であり、母はパンドーラ、そして彼こそプロメテウスの化身である。ゼウスの崇める大母神ガイアは、その獅子王を倒すが、アポロンに幽閉されていたレスフィーナの発揮した秘力の前に倒れる。アポロンはゼウスを殺し、レスフィーナの力で新しい王朝を築こうとするが、彼女の最後の力の前についに破れ去った。そして、歓声のこだまする中、アリオンはレスフィーナと共にデメテルのもとへ旅する約束を交した。

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映画レビュー

5.0壮大なスケール

2024年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

神々と人間… 古代ギリシア物語をモチーフにした作品アリオンの漫画は、1970年代にはあったと記憶するが、今まで縁がなく見たことはなかった。
しかし、題材も物語もテーマも、今見ても申し分ない素晴らしい作品だった。
セネカが女だったという下りは、彼女が天涯孤独の中で生き抜くために男を装い続け、出会ったアリオンを好きになってしまい、そのアリオンは命をかけてレスフィーナを取り戻しに行くほどの気持ちを感じ、自分自身の気持ちに折り合いをつけようとするシーンは心を打たれた。
そのセネカが戦死しなかったことに安堵した。
たしかに自由は勝ち取るものだが、この物語に描かれていた支配者的神々は、おそらく姿を変えて現代にいるように感じざるを得ない。
アリオンを導いた不思議な爺さんがかれに話した「今度だけは強いられて行くのではない。お前はお前自身として行くのだ」と言う言葉は、私自身に言われているように感じた。

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R41

4.0ガンダムのキャラクター(特にΖガンダムの頃)が、ロボット無しで戦う...

2023年9月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

萌える

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Don-chan(Daisuke.Y)

3.5食わず嫌い

2023年6月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

萌える

で観るのをずっと避けてきたが、観たらギリシャ神話を題材にした物語で、好きな部類だった😅

色々聞いたことのある名前が登場して楽しめた。

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REpower

2.5宮崎駿コンプレックス

2023年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

アニメ畑から発掘された才能。奇跡的にコミックも面白いという、マンガ家としてのタレントを開花させた安彦さんが、自らアニメ化も手掛けた作品。

同時期に、同じ徳間書店系列でアニメ映画化された「風の谷のナウシカ」は、劇場公開時にはパッとしない興行成績だったという。

徳間系列で、2の矢3の矢として放たれたのが、「アリオン」で、キャラクターの美しさ、原作の人気、ガンダムのファンが期待していた分、当時は人気でも負けてなかったと思う。

ところが、「となりのトトロ」あたりから、ジブリアニメのブランディングが成功し、アニメ作家としての安彦良和と、宮崎駿の評価は完全に逆転してしまったと思う。

今となっては、振り返られることもなくなってしまった「アリオン」に比べて、「風の谷のナウシカ」は根強い人気を持つ。アリオンの物語は、ファンタジー色が強すぎて、現代に通じる要素が少なかったのと、強い少女が主人公という、宮崎アニメの不文律に対して、安彦アニメは、群像劇の形式をとるために一般の受けが良くないのだろう。

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うそつきカモメ
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