グレープ・フルーツのような女 性乱の日々

解説

激しい愛を求めて苦悩する女の姿を描く。脚本、監督は今村昌平作品などで一世を風靡した女優のあの沖山秀子で、この作品が監督デビュー作となる。撮影は鷹野聖一郎が担当。

1981年製作/日本

ストーリー

ジャズの好きな律子はライブハウスに通ううち、ミュージシャンの信忠と親しくなっていった。スタイリストの律子の仕事場に、信忠も顔を出すようになり、二人の愛は高揚していく。そんなある日、信忠に二ヶ月に渡るニューヨーク公演の話がもちあがった。信忠を必死に慕う律子に、二ヵ月も離れて平気でいられるのは、本当の愛ではないと思われた。信忠が渡米して数日が過ぎた頃、律子は彼の子を宿していることに気づく。酒に溺れ、淋しさをまぎらわす律子は、中年男にホテルに誘われ、体を許した。操を守れなかった自己嫌悪で、律子は子供を堕ろした。そして、彼女の信忠に対する思いはしだいに冷えていった。信忠が帰国した。律子は信忠に抱かれるが、かつては激しく感応した体は、まるで反応しない。律子は愛の終りを感じた。帰国歓迎パーティーで言い争いをする二人。律子は信忠を背に会場を去っていく。律子に後悔はなかった。その後姿には自立してゆく女の輝きが充ちていた。

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