第二情報部

解説

新人監督ピエール・ビヨンが監督に当たった映画で「装へる夜」「最後の戦闘機」のジャン・ミュラーと「あだ花」(姿なき殺人)出演のコメディー・フランセーズ座付女優ヴェラ・コレーヌが主演する。原作はシャルル・ロベール・デュマ作のスパイ小説で、脚色には「リリオム」の台詞を書いたベルナール・ジンメルが当たり、台詞も執筆した。音楽は「戦いの前夜」「リリオム」のジャン・ルノワールが担当、撮影はマルセル・リュシアン、ロベール・アスラン、レイモン・クリュニイが協力している。助演は「上から下まで」「別れの曲」のジャニーヌ・クリスパン、「黒い瞳(1935)」のジャン・マックス、「リリオム」のピエール・アルコヴェー、「雪山の騎士」のピエール・マニエ、「タムタム姫」のジャン・ギャラン、「外人部隊(1933)」のピエール・ラルケ等。

1935年製作/フランス
原題:2 eme Bureau

ストーリー

ドイツの毒ガス発明者ワイゲルマン博士の重要書類が全部フランス情報部に漏れている。この書類はワイゲルマン博士が一通と陸軍大臣が一通持っているだけである。ドイツ情報部では直ちに博士邸を調査したが書類は博士の金庫の中に安全である。そこで、この漏洩原因を探査する為、女間諜エルナ・フリーデルは命をうけてパリへ赴いた。一方フランス情報部の将校ブノア大尉は、諜報者ブロジラウが報告したドイツの、国境に近いシャフィンゲン工場で製作された最新式の優秀な飛行機の発動機の秘密を探りに出発を命ぜられた。工場は兵士達に厳重に守られて近づく事が出来ないのでブノアは画家と称して工場付近の郵便局員ドロテに求愛し、ここから発せられる工場の通信を巧みに盗んだ。工場では新製モーターの性能試験のため、数人の銀行家を招待したのでブノアはこの一人に化けて工場に入り秘密を盗んで直ちにドロテを連れてパリへ帰った。パリで、エルナは諜報者ブロジラウに逢い、フランス情報部のコルレと称する男を丸め込み、秘密書類の番号を手に入れ、又ブラジラウがドイツへもフランスへも諜報を売ってた事をつきとめた。ベルリンに帰ったエルナは毒ガスの機密が漏れたのは博士の秘書ビュネルのしわざで、彼こそはフランスのブノア大尉であると告げた。エレナはブロジラウを殺し、ブノア逮捕の手引きを命ぜられて再びパリに赴いた。一方フランス情報部ではブノア大尉にドイツの間諜エルナ逮捕が命じられた。ブノアとエルナは互いに恋の手くだで相手を陥れようとしたが、それが本当の恋となり、ドロテはブノアの変心に泣いた。エルナはブロジラウを斃した。ドロテは嫉妬のあまりエルナをドイツの情報部へ密告したので直ちにエルナの許へ密使が来た。「フォンテンブラウ四十七キロメートルの地点にブノアをつれ出し殺す事」というのである。エルナは自分の団りに既に密偵の眼が光っている危険を知りつつも、ブノアを救おうと、ドロテを使ってフランス情報部ゲラウ大佐に通告し、ブノアと共に自動車を走らせた。後にはドイツのスパイの車が続く。自動車が目的地近くへ来た時、突然前方に遮断機が現れ、数人の警官が自動車を止めた。エルナは自動車を飛び出すと「後にいる男は間諜です」と叫んで倒れた。後の車から発した弾丸がエルナに命中したのだ。ゲラウ大佐がドロテを伴って現場に馳せつけてみるとエルナの死体の前に瞑目しているのはブノア大尉であった。

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