真夜中まで(1949)

劇場公開日:

解説

「弾痕」「求婚」のアンリ・ドコアンが監督したスリラーで、脚本は彼自ら、クロード・リュクセルの探偵小説から、マルセル・リヴェと協力して執筆した。撮影は「モロッコ守備隊」「偽れる装い」のニコラ・エイエ、装置はエミール・アレックス、音楽はアンリ・ソーゲェ、衣裳はジャック・ファットの担当である。主演は「犯罪河岸」「二つの顔」のルイ・ジューヴェで、「幻の馬」「高原の情熱」のマドレーヌ・ロバンソンが共演し、「快傑ゲクラン」のジゼール・カサドジュ、「二つの顔」のレオ・ラパラ、「美しき受刑者」のジャン・メイエ、老練のロベール・アルヌー、モニーク・メリナン、ロベール・ヴァッティエ等が助演している。

1949年製作/フランス
原題:Entre Onze Heures et Minuit
配給:SEF=東宝
劇場公開日:1950年3月28日

ストーリー

インチキ弁護士のゴンザレスが、パッシイ河岸の自宅で殺されたので、警察のカレル刑事が現場に出向いていると、その間にアルヌの自動車専用道路のトンネルの中で、もう一人の男が殺された。男はヴィドバンというギャングの親方で、カレル刑事に瓜二つ。カレルがヴィドバンの部屋を調べると、フロランスという女名前の手紙が出た。嫉妬に狂った女の仕業らしく、部屋は取散らされている。丁度その時部屋に入って来たロシニヨルという男は、カレルを見て、ヴィドバンが生きていたのかと仰天する。ロシニヨルはフロランスの愛人で、ヴィドバンの一味だが、最近ヴィドバンが彼女を横取りしようとしたり、ドル金貨を一人占めしているのを恨みに思っていた。カレルは瓜二つの顔を幸いヴィドバンになりすまして、彼の部屋に住みこんだ。高級衣裳店を経営しているヴィドバンの情婦、リュシエンヌに近づいたカレルは、美しい彼女の物静かな応待の中に仄かな愛情を感じていた。リュシエンヌは一目で、この男がヴィドバンでないことに気付いた。そこでカレルは、一切を彼女に打明け、引続きギャングを装って仲間を引寄せていた。カレルはヴィドバンのところで、リュシエンヌが盗まれた宝石を見つけた。ヴィドバンは彼女と手を切ろうとしていたのである。更にフロランスの手提の中から、ヴィドバンのピストルが発見された。弾丸が三発不足しているヴィドバン殺しはフロランスだろうか? 鑑定の結果は、此のピストルはゴンザレスを殺したものであった。そこでカレルは、ヴィドバン自身がゴンザレスを殺したものと推定する。そこへゴンザレスの女中イルマが、犯人はミグレーヌとベベ・タンベールだと訴え出た。彼等はゴンザレスから、ヴィドバン殺しを依頼されていたというのである。然し二人共、「ヴィドバンは殺せない」とイルマに語ったというから、ヴィドバンは彼等が手を下す前に殺されたわけだ。更にカレルは、リュシエンヌがヴィドバンとゴンザレスを対立させて、ドル貨の奪い合いをやらせたという事実を聞き出した。犯人は嫉妬に狂った女の仕業であろう。ヴィドバン自身が女の為にピストルを買い、誘惑し、金をしぼり、揚句に女の持物まで盗み取った事が分った。その女はリュシエンヌである。然しカレルは、彼女を心から愛するようになっていた。彼は警察に辞表を出して、リュシエンヌに愛情を告白し、自首をすすめるのだった。

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