カルメン(1918)

解説

ポーラ・ネグリ嬢が「パッション(1919)」に続いてエルンスト・ルビッチュ氏の監督の下に作った映画で、アメリカでは『ジプシーの血』として発表され好評を博したもの。原作はプロスペル・メリメ氏原作の小説に拠ったので、ビゼーの作曲したオペラとはだいぶ違って居る。先年公開されたジェラルディン・ファラー嬢主演のラスキー映画「カルメン」と比較して見るのも面白いであろう。ネグリ嬢の扮するカルメンに対する相手役のホセには、「蝙蝠」「ファラオの恋」等出演のハリー・リートケ氏が扮して居る。無声。

1918年製作/ドイツ
原題:Gypsy Blood Carmen

ストーリー

セヴィラの龍騎兵隊に勤めて居る軍曹ホセ・ナヴァロは故郷に美しい愛人ドロレスを持って居た。帰郷ごとに彼等二人は楽しい数日を送り再会を約して別れるのであった。セヴィラの煙草工場にカルメンと云う美しい女工が居たが、或事から彼女は同輩と喧嘩をして過って相手を殺してしまった。ホセは其の捕縛の任に当たったが、ホセに想いを懸けて居たカルメンは温和しく引かれた。しかしその道で逃して呉れとホセに頼み嘆いた。カルメンの情熱に心迷ったホセは遂に彼女の逃走を黙許する。その為にホセは免職され拘留に処せられたが、カルメンは百方手を尽くして彼を脱獄させようとする。その試みはしかし失敗に終わって、幾ばくもなくホセは出獄して来たが、或事から上官を殺してしまい仕方なくカルメンの口添えで彼女の手引きして居る密輸入者の一団に加わる。やがて一団は官憲に襲撃され、カルメンとホセは散々に別れる。その後落ちぶれたホセはセヴィラの闘牛の日に美しく着飾ったカルメンを見た。彼は彼女の跡追って闘牛場に来たり、昔の恋の復活を嘆願したが、カルメンの心は今日の晴の場で名誉を得た闘牛士エスカミロに傾いて、ホセの言葉に一顧だも与えない。もはや最後だと思ったホセは遂に其の場にカルメンをたおした。

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