奇遇の三人

解説

数奇な運命の玩具となって漂白の旅を続ける三人の男女の淋しい物語。コンラート・ファイト、フリッツ・コルトナー、カローラ・テーレ出演。無声。

1922年製作/ドイツ
原題:Three Friends By Chance

ストーリー

ラファエルはヴァイオリンに天才を持ちながらそれに自ら気付かず、修業もせず、旅から旅へと放浪中、大道芸人のメンデルを危難から救った。その後この漂白の二人の男に哀れな女マリアも加わった。幾月かしてラファエルの天才がある男爵に認められ、一年の劇しい修業は彼を大ヴァイオリン家とした。メンデルもそのお蔭で音楽会専門の会社を作って懐を肥した。ラファエルがマリアの愛に酔って居たのも束の間、腕に受けた負傷は彼からヴァイオリン家としての生命を奪い、強欲なメンデルは彼を見捨てた。そして貧困が生んだ悲劇、マリアはメンデルの許に涙の日を送らねばならなく成った。併し天の裁きの日は何日かは来る。メンデルの催した音楽会に傷癒えたラファエルが人知れず奏でた得意の一曲に月を覆った叢雲は晴れ、名月は又美しく輝く。

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