ベアトリス(1921)

解説

純潔な乙女の果敢ない恋の物語で側ら作者は愛なく立脚する結婚の罪悪であり如何に愚なるかを述べている。「落花の如く」のハーバート・ブレノンが監督し、マリー・ドロが主演している。「落花の如く」や「新ハムレット」のアンジェロ・ガリナ共演。無声。

1921年製作/イタリア
原題:Beatrice

ストーリー

ベアトリスは或る淋しい漁村の小学校の教師であった。彼女は一日此の村へ遊びに来た金満家のオーエン・デーヴィスを危難から救い上げたのが縁で二人は秘かに恋し合う仲となる。オーエンには金使いの荒い虚栄心の強い妻と可愛い子供があったが夫婦間は愛情の更にない為実に淋しかった。オーエンは現在の妻から遠ざかってベアトリスと真実な恋に生きたかった。彼女もまたオーエンには立派に妻も子もあることを自覚して居りながらも断念することは出来ない。ベアトリスの妹エリザベスも兼ねてオーエンを慕っていたが己の恋の望まれぬ結果より姉を怨みベアトリスとオーエンの仲を中傷した。ベアトリスは愛人の名誉を傷つけたくない為我が身を犠牲にし、燃ゆるが如き情熱を胸に抱いてかつてオーエンを知り染めし浜辺から小舟を出して死の旅路についた。

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