秘めたる情熱

解説

中世を背景としオルレアン城に起こりし今に伝わる哀切極まりなき恋物語といった気分のする伝説めいた映画である。「カリガリ博士」「ゲニーネ」のロベルト・ヴィーネ氏の監督。「カラマーゾフ兄弟」のフリッツ・コルトナー氏、「ゲニーネ」のフェルン・アンドラ嬢、其の他ハンス・ハインツ・フォン・トワルドウスキー氏が出演している。無声。

1920年製作/ドイツ
原題:The Connetable of Orleans

ストーリー

オルレアン公は狂気であったので政は警保官の手によってなされ、城内の事ひとつとして警保官の意のままにならざる事はなかった。彼は大公の妹君イザボオにかなわざる恋心を抱きイザボオに恋する者をことごとく殺した。姫は城外の恋人に合おうとあらゆる手段を尽くしたがことごとく警保官の妨ぐる所となった。姫は遂に最後の手段、彼を殺して城外に出ずれば其の時既に恋人は他の女に心を移した後であった。気の狂った姫は兄君大公の傍に行く。淋しい心乱れた兄と。妹たとえ狂人とはいえ肉親の情は通じた事であろう。

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