黒い瞳(1958)

劇場公開日:

解説

往年のフランス映画「黒い瞳(1935)」のドイツにおける再映画化。日本初登場のパウル・マーティンが監督し、戦前数々の山岳映画を手がけたリヒャルト・アングストが撮影を担当している。ヴィクトル・トゥールジャンスキーとテーレンの原作をマックス・ノセックとヨハネス・ヘンドリッヒが脚色、音楽はミシェル・ミシェレ。新人ヨハンナ・フォン・コツィアンが主演する他、「女の一生」のイヴァン・デニ、「戦場の叫び」のクラウス・ビーダーシュテットとテレーズ・ギーゼ、「エロイカ」のエヴァルト・バルザー等が出演している。製作ホルスト・ヴェンドランド。

1958年製作/西ドイツ
原題:Petersburger Nachte
配給:大和フィルム=映配
劇場公開日:1959年1月23日

ストーリー

ペテルスブルグの美しい雪の夜、タチアーナ(ヨハンナ・フォン・コツィアン)は、誕生日に姿を見せなかった父イワン・イワーノビッチ(エヴァルト・バルザー)を責めるため、父と老家政婦アントニーダ(テレーズ・ギーゼ)の住む家に帰って来たが、肺炎となってそのまま寝込んでしまった。父は心から心配してくれたが、不思議なことに夜になると家を空けた。実は生来の賭博癖のため家財を失い、莫大な借金のあるナイト・クラブ“ヘルミターゲ”の経営者アレキサンダー・ドルービン(イヴァン・デニ)のためにこき使われていたのだった。しかし、事の真相を知らないタチアーナは不満であった。全快した娘のためにイワンはピアノの先生として音楽学校の学生ビクトル・カルドフ(クラウス・ビーダーシュテット)をつけた。若い二人はいつか淡い恋心をいだいた。こんなある日、全快祝いのオペラ見物のタチアーナを一目見たドルービンは彼女の美しさにほれ込み強引に接近してタチアーナの心をとらえた。カルドフをだしに、雪の郊外の馬車ぞりドライブ、スケートとランデブーが重ねられた。ついにドルービンの屋敷につれ込まれたタチアーナは、偶然おとずれたイワンの声を聞いて事なきを得た。しかし、父の行跡に傷ついたタチアーナは、自らドルービンのところを訪れた。お互に素情を知らぬままにあわやという時、急を知ったイワンがかけつけた。すべてを知ったタチアーナは、父のために自己を犠牲にすることを決意した。しかし、女たらしの冷血漢ドルービンにも一掬の人の情がのこっていた。すべてをあきらめたタチアーナにイワンの自由を約束してそのまま帰した。すべての誤解がとけたイワンとタチアーナ、そして若いビクトルを迎えたイワン家には、久方ぶりに春がおとずれたのであった。

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