獣人ゴリラ男

劇場公開日:

解説

メキシコ製フランケンシュタインものともいうべき怪奇映画。加えてレスリングのスリルがとり入れられている。フェルナンド・メンデスとアルハンドロ・ベルビスキの原作・脚色をメンデス自身が監督、ヴィクトル・エレラが撮影した。音楽はフェデリコ・ルイス。主演は共にレスラー出身のクロックス・アルヴァラードと、ウォルフ・ルビンスキ、ヒロインには「雷雲」のコルンバ・ドミンゲスが扮している。その他カルロス・リケルメ、アルトゥーロ・マルチネス、エデュアルド・アルカラス等が助演。製作はアルマンド・エスピノザ。

1956年製作/メキシコ
原題:Ladron de Cadaveres
配給:東宝
劇場公開日:1958年5月9日

ストーリー

メキシコ・シティで、あるスポーツマンが頭に穿孔手術を施された奇怪な死体となって発見された。当局はアメリカや中南米諸国の警察の機能を結集して調査の結果、ある不思議な男が、死体を盗んでは同じ様な手術をしているらしいことをつきとめた。メキシコ警察はこの事件の捜査をカルロス・ロブレス(クロックス・アルヴァラード)に命じた。彼はメキシコ・シティの総てのスポーツ・センターに警戒網をはったが、怪人物は巧みにこれを突破し、怪力できこえたレスラーを殺して死体を運び去った。この怪人物は外国の科学者で、死人の脳髄を動物のものと入れかえることによって、人間の生命をのばすことを研究しているのだった。捜査に行詰った当局は、ロブレスの、親友ギレルモ・サンタナ(ウォルフ・ルビンスキ)を使ってのトリックの提案を承知した。レスラーである彼を、強力な無敵覆面のレスラー「吸血鬼」と呼ばれる男に仕立て上げて、怪殺人犯をおびきよせる囮にしようというのである。ロブレスによばれたサンタナは、彼が試合をするスタジアムの持主の秘書である、美しいルシア(コルンバ・ドミンゲス)を知って恋をしたが、別れを惜しむ彼女に、一寸した旅行に出かけると嘘をついて、自分の役割の「吸血鬼」になるべく、こっそりとその姿を消していった。やがてリング上で覆面の彼の活躍がはじまったが、月日は徒らに過ぎていくばかりで、怪殺人犯はなんらの行動も起そうとしなかった。じりじりしてきた警察当局は、ロブレスに対して、早急に事件を解決させるか、さもなくば、この計画の責任をとって、辞表を提出するように申し渡してきた。ところがいよいよその期限が迫ってきたある日、リング上である試合をしていた「吸血鬼」、実はギレルモ・サンタナが、ばったり倒れて突然息をひきとった。覆面をとった「吸血鬼」がサンタナであるのを知ったルシヤは、事態を悲しんだが、もうどうしようもなかった。彼の変死も、あの不思議な外国科学者の仕業だった。科学者は一味の者を死体置場に忍びこませ、巧みにサンタナの死体を盗み出し、彼の研究所に運んだ。手術にかかった科学者は、ゴリラの脳髄をサンタナの脳髄と入れかえ、その身体を再び生きかえらせることに成功した。サンタナの身体は、いまや兇暴な力をもった怪人と化した。科学者は自分の作った怪人を、怪力レスラーとしてリング上につれ出し、恐るべき力を観衆に誇ってみせた。しかし、次第に獣性をむき出しにしてきた怪人は、荒れ狂いはじめ、遂には彼を殺してリングの外におどり出した。恐怖におびえる人々をけちらして、怪人はルシアの家に向い、寝室におどりこんでおびえる彼女をさらい、屋上に飛び出した。知らせを聞いた警官隊がかけつけて、怪人は屋上に追いつめられた。迫るロブレスに、怪人はおどりかかったが、間一髪体をかわした彼に見当を失って、舗道にたたきつけられて最後をとげた。

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