バレエへの招宴

劇場公開日:

解説

日本初公演で話題を投げたボリショイ劇場バレエ団が昨一九五六年十月、ロンドンで公演したものをまとめた長篇バレエ映画。監督は往年ドイツで「夢見る唇」などをものしたパウル・ツィンナー、撮影監督にはS・D・オニオンズが当っている。演奏指揮はボリショイの主任指揮者ユーリ・ファイエルと今回来日のゲンナジー・ロジェストヴェンスキーが交代でつとめている。プログラムは一・二部に分れる。 第一部「バレエ・コンサート」は、1「ダッタン人の踊り」--バレエ『バフチサライの泉』より。台本ヴォルコフ、作曲ボリス・アサフィエフ、振付R・ザハロフ、演奏指揮ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、出演M・ボイソフ、A・クラーレフスキー、S・ヤグージン他--。これは一九三四年、レニングラードで初演された四幕の舞踊詩で、民族舞踊の特質を摂取しソヴェトの新しいバレエの代表作品である。 2「スペイン舞曲」--バレエ『白鳥の湖』より。台本V・P・ペギチェフ、ヴァシリ・ゲルツァ、作曲P・I・チャイコフスキー、振付A・ゴルスキー、演奏指揮ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、出演S・ズヴヤギーナ、A・ネルセソワ、ヤロスラフ・セフ、G・シトニコフ--は、一八七七年、モスクワのボリショイ劇場で試演された後、十数年を経て、作曲者チャイコフスキーの死後、一八九四年聖ペテルスブルクのマリンスキー劇場で改訂再演、以来ロシアの代表的ロマンティック・バレエとなった。『白鳥の湖』四幕中の第三幕、宮廷の場で踊られるもの。 3「春の洪水」--作曲S・ラフマニノフ、振付アサフ・メッスラー、演奏指揮ユーリ・ファイエル、出演L・ボゴモロワ、S・ヴラソワ--はラフマニノフの歌曲(作品十四の十一番)をバレエ化した新作である。 4「瀕死の白鳥」--作曲カミーユ・サン・サーンス、演奏指揮ユーリ・ファイエル、出演ガリーナ・ウラーノワ--は、サン・サーンスの組曲『動物の謝肉祭』の中の『白鳥』にミハイル・フォーキンが振付けたもので、アンナ・パヴロワが踊って有名な作品。 5「ポロネーズとクラコヴィエンヌ」--歌劇『イワン・スサーニン』より。台本アレクサンダー・プーシュキン、音楽ミハイル・I・グリンカ、演奏指揮ユーリ・ファイエル、出演Y・サンゴヴィッチ、S・ズヴヤギーナ、M・コルパクチ、V・ペトロワ、アレクサンドル・ラドゥンスキー、ウラジミール・レワシェフ、K・リフテル他二十四名--は、ロシヤ国民音楽派の祖といわれるグリンカが作曲したオペラ『イワン・スサーニン』(皇帝に捧げし命)に挿入されたポーランド舞曲をモティーフとしたダンス・キャラクテール。 6「ワルプルギスの夜」--歌劇『ファウスト』より。作曲シャルル・グノオ、振付レオニード・ラヴロフスキー、演奏指揮ユーリ・ファイエル、出演R・ストルチコワ、A・ラパウリ、G・ファルマニヤンツ、A・トルシュキン、T・ヴェプロワ、M・ゴットリーブ、Z・コロタエフ他--はグノーのオペラ『ファウスト』(一八五九年パリ、テアトル・リリックで初演)が一八六九年オペラ劇場で再演の際、第五幕第一場に書き加えられたバレエである。 第二部・ウラノワの「ジゼル」--台本テオフィル・ゴーティエ、ヴェルノワ・ド・サン・ジョルジュ、ジャン・コラリ、音楽アルフレ・アダン、振付ジャン・コラリ、ジュール・ペロー、マリウス・ペティパ、改訂振付レオニード・ラヴロフスキー、装置B・ヴォルコフ、演奏指揮ユーリ・ファイエル、出演ガリーナ・ウラーノワ、ニコライ・ファデイェチェフ、T・モナホーワ、アレクサンドル・ラドゥンスキー他--は、一八四一年パリで初演されて以来、今日なお世界で盛んに上演されている二幕の幻想的なバレエで、ウラノワの当り役。台本は、ドイツの古い伝説を謳ったハイネの詩にもとづいている。 なお「ジゼル」は昨年十月二十五日、ロンドンのコヴェント・ガーデン“ロイヤル・オペラ・ハウス”にエリザベス女王が来臨された夜撮影されたもの。また第一部の「バレエ・コンサート」はロイヤル・オペラ・ハウス公演後、大英芸術審議会の斡旋でクロイドンのデイヴィス劇場で上演された名作バレエ抜粋のコンサート・プログラムをまとめたものである。イーストマンカラー、ワイド方式。

1956年製作/100分/イギリス
原題:The Bolshoi Ballet and Giselle
配給:東和
劇場公開日:1957年9月22日

ストーリー

※公演映像のためストーリーは割愛します。

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