青い目のロバ

劇場公開日:

解説

コーカサス山脈の南、人口三六〇万のソヴィエト連邦を構成する十六の共和国の一つ、グルジヤが製作した児童劇映画。一九世紀のグルジヤ作家、Z・カバシヴィリの短篇『マグダナのルルジヤというロバ』を、K・ゴゴーゼが脚色、新人のT・アブラージェとレゾ・チヘイゼが監督した。撮影はL・スーホッチエと古参のA・ジグメーロフ。作曲はA・ケレセリージェ。いずれも我が国初登場である。主演はデドゥハナ・ツェロッゼ、L・モンスチラピシヴィリ、M・バラシヴィリ、ナナ・チクヴィニージェなど。黒白一九五六年作品。一九五六年度カンヌ映画祭で短篇映画賞を受賞。日本語版。

1956年製作/グルジア
原題:Magdana's Donkey
配給:松竹
劇場公開日:1957年7月26日

ストーリー

寡婦マグダナ(デドゥハナ・ツェロッゼ)は長女ソホ(L・モンスチラピシヴィリ)、長男ミホ(M・バラシヴィリ)、次女カト(ナナ・チクヴィニージェ)をかかえた貧しいヨーグルト売りである。彼女は寒村から町へ、重い品物をかついで商売に行く。ある日、母の帰りを待つミホとカトは、道端に倒れている小さなロバを発見した。病気になったので、持主に捨てらたのだ。村の子供たちは、息も絶えだえのロバをマグダナの家にはこび、力をあわせて介抱につとめた。村中の幼い手とマグダナ一家の愛情--死にかけていたロバはだんだん元気をとりもどし、「ルルジヤ」と名付けられて、マグダナのものとなった。彼女はもう重い荷物を運ぶ必要がない。寡婦はロバをつれて町へ商売に行く。ところが、金持の炭屋がぶつかったのがもとで、商品のヨーグルトは地面にこぼれ、その上「ルルジヤ」は炭屋のものだったということがわかった。彼はマグダナの村の近くで、無慈悲にも病気のロバを捨てたのだ。しかし、ロバの命を救ったのはミホをはじめとするマグダナ一家である。村人の強い同情の中で、ロバの持主を決める裁判がはじまった。人々はこぞってマグダナの正しさを主張するために証人となった。しかし、裁判官は金持の方に味方した。炭屋は邪慳に「ルルジヤ」を引っぱって行ってしまう。子供達はそれを見送りながら、いつまでも町角に立っていた。しかし村の老人たちは、胸を張りながら元気づけてくれた。「俺達は貧乏で力が無いが、みんなで力をあわせて行けば、きっとよい時代が来る……」。時代は、帝政ロシアの頃である。

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