路(1982)

劇場公開日:

解説

仮出所を許された囚人たち5人のたどる運命をそれぞれのエピソードで描く。製作はエディ・ユブシュミットとK・L・プルディ、監督・脚本・台詞は日本では初登場のユルマズ・ギュネイで、彼は84年9月に47歳の若さで死去した。獄中からのギュネイの指示に従ってシェリフ・ギュレンが演出、撮影はエルドーアン・エンギン、音楽はセバスチャン・アルゴルとケンダイ、編集はユルマズ・ギュネイとエリザベス・ヴェルクリ、録音監督もギュネイが担当。出演はタールク・アカン、シェリフ・セゼル、ハリル・エルギュン、ネグメットゥン・シバノグルなど。

1982年製作/トルコ・スイス合作
原題:Yol
配給:フランス映画社
劇場公開日:1985年2月2日

ストーリー

ヨーロッパとアジアを分かつマルマラ海のイムラル島拘置所、1980年秋、仮出所を許された囚人たちが、喜びの面持ちでそれぞれの目的地に向かう。仮出所の日数は約5日。期限内に戻らぬ者は、脱獄者として家族や類縁をまきこむ重刑が待っている。限られた5日間だけの自由だが、それぞれは最大限に有効に使おうとはりきるのだ。コンヤ市内の父の家に戻ったセイット(タールク・アカン)は、父が若妻をめとって弟が生まれていることを知り驚くが、何よりも迎えてくれるべき妻のジネ(シェリフ・セゼル)と息子の姿が見えないことを不思議に思った。実はジネは不義を犯しそのために実家に戻った、ということをセイットは母から聞いた。ジネの実家、東部サンジャクの山奥に向かうセイット。結婚したばかりで入獄したユスフ(トゥンジャイ・アクチャ)は、獄中で育てたカナリアを妻に見せようとバスに乗ったが、中部のガジアンテップの手前まで来て検問にあった。仮出所許可証が見つからず、いっしょに仮出獄を許されたメヴリュット(ヒクメット・チェリク)に愛妻あてにカナリアを託した。オメール(ネグメットゥン・シバノグル)の故郷クルド地方は、雄大な自然に囲まれた草原地帯だが、ゲリラを鎮めるため憲兵隊の威嚇の銃声が絶えず戸外で轟いており、毎晩何人かのゲリラが殺されていた。オメールの兄アブゼルは、ゲリラの隊長なのだ。コンヤの先のアナダから、さらに奥に入ったディヤルバクルに戻ったメメット(ハリル・エルギュン)は、妻エミネ(メラル・オルホンソイ)の家族に真実を告げる決意をする。メメットはエミネの兄アジズに誘われて銀行を襲ったのだが、その時アジズが死んだのは、自分がおじけずいてひるんだためだと……。しかしエミネの家族はその告白に対し厳しかった。エミネと子供ふたりを連れて村を出たメメットに、エミネの弟が復讐の追跡を始める。サンジャクに着いたセイットは、ジネの罪を償う方法として彼女を自分の手で殺すという苛酷な処置をとる。雪深い〈ひつじ谷〉にジネを連れてゆき、凍死させてしまう。同じ頃ガジアンテップに着いたメヴリュットが街中で婚約者メラル(セヴダ・アクトルガ)とデートするが、黒いチャドルに身を包んだメラルの家族たちが絶えず二人を監視していた。嘆いて売春宿にとび込むメヴリュット。汽車で逃げるメメットとエミネはトイレに隠れて抱き合うが、乗客に騒がれリンチにかけられそうになるが、寸前でエミネの弟に撃ち殺される。オメールの兄アブゼルが憲兵隊に殺される。アブゼルの妻は、クルドのしきたりでオメールが嫁とらねばならない。オメールには彼に思いを寄せるギュルバハル(セムラ・ウチャル)という美しい少女がいたが、彼女との愛は断念しなくてはならない。今はゲリラとなったオメールは、人々の見守る中、馬を駆るのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第40回 ゴールデングローブ賞(1983年)

ノミネート

最優秀外国語映画賞  

第35回 カンヌ国際映画祭(1982年)

受賞

コンペティション部門
パルムドール シェリフ・ギュレン ユルマズ・ギュネイ
国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞 シェリフ・ギュレン

出品

コンペティション部門
出品作品 シェリフ・ギュレン ユルマズ・ギュネイ
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